フクシマの女たち・福島原発告訴団団長・武藤類子さんによる 2018年フクシマ原発事故7周年に向けたメッセージ

武藤類子                  福島原発告訴団団長 / ひだんれん共同代表 / 原発いらない福島の女たち

福島に心を寄せる世界の皆さまへ

福島原発事故から7年。今年も3.11がやってきます。

2011年のあの日から、ずっと福島を見守り、手を差し伸べて下さる皆さまに心から感謝致します。

今、福島では帰還、復興、健康作りなどの言葉が飛び交っています。2020年のオリンピックを2年後に控え、莫大な復興予算が投入され、震災の被害が顕著であった沿岸地域を中心に、イノベーションコースト構想と名打ち、廃炉技術やロボットの開発施設、大型風力発電、メガソーラー、木質バイオマス発電所などが建設されています。放射能汚染が最も深刻な福島第一原発立地町である双葉町にも、原発事故の被害の実相を伝えるとうたったアーカイブ拠点や産業会館等が建設を予定され、高校生の修学旅行を誘致しようとしています。福島県は、オリンピックまでにすべての避難者を帰還させたいと考え、海岸線を走る常磐線の全線開通も間近です。

しかしその陰では、著しい人権侵害が起きています。現在推進されている帰還政策は、除染をして元通りの安全な場所に戻ったからお帰りくださいというものではないのです。年間被ばく線量が、原発事故前の20倍である20ミリシーベルトを下回る地域では、被ばくを我慢して暮らせというものです。保養などの帰還後の被ばく防護策は特になく、避難解除後は、帰還しなくとも、精神的賠償や避難住宅の無償提供を打ち切られます。たちまち生活が困窮し、追い詰められて望まない帰還をする人、ホームレスになった人や自死する人も出ている状況です。避難住宅の立ち退きを迫られ、裁判に訴えられている家族もあります。国連人権理事会による人権審査で、国連加盟国4カ国が、原発事故被害者の人権状況を是正するように、日本政府に勧告しています。

原発サイトでも深刻な状況は続いています。トリチウム汚染水の1000tのタンクは800基を超えました。原子力規制委員会の更田委員長、元委員長の田中氏は、「海に流すことが唯一の解決策だ」と地元自治体を回って説得をしています。私が4歳の時に生まれて初めて見た海は、福島県いわき市の海でした。今でもその光景が目に浮かびます。世界の3大漁場と言われ、豊かな生き物たちに満ちていました。そして何より海は世界につながっています。原発事故で既に大量の放射性物質が流されたのに、更に人為的に流し、世界の海をこれ以上汚したくはありません。本来規制する側が積極的に流そうと動いていることは許しがたいことです。現在、福島の漁業者たちが必死でトリチウム汚染水の放出を止めています。どうか世界からも是非声をあげて下さい。お願い致します。

福島県民健康調査における甲状腺検査では、がんとがんの疑いが現在193人となりました。相変わらず県民健康調査検討委員会は原発事故との関連は考えにくいとの見解ですが、この数字のほかに、県民健康調査に報告されていない甲状腺がん患者がいることが昨年発覚しました。県民健康調査の甲状腺検査を受けた後に「経過観察」とされた人が、次回の県民健康調査の前にがんが発見された場合、県民健康調査の報告に反映されていないことが分かりました。その中に何人のがん発症者がいるのか調査すべきだとの声が、検討委員会の委員や市民からもあがり、ようやく県立医大が調査に乗り出すことになりましたが、調査に2年もかけるといいます。原発事故被害者に、唯一行われている健康に関する調査であるにもかかわらず、正しい結果が提供されてはいません。現在、この甲状腺検査に対し、「過剰診断」「学校での検査は人権侵害」「知らない権利がある」などの言葉を使い、縮小しようとする動きがあります。原発事故時に安定ヨウ素剤の配布を拒みさえした福島県は、責任を持って甲状腺検査を継続していくべきです。

一昨年、福島市の高校生が、廃炉作業中の福島第一原発の見学をしたとの報道があり仰天しましたが、その後、福島大学でも、授業の中に原発見学が取り入れられました。全国の高等専門学校でも、原発の廃炉のためのロボットコンテストなどが、避難指示が解除になった町で開かれました。私の住む町に建設された、福島県環境創造センターの放射能教育施設コミュタン福島には、ビジュアルやゲーム感覚で放射能について学ぶ展示がなされています。開所1年で約10万人が訪れ、子どもたちの感想文などを読んでみると、「放射能は危険なだけでなく医学や科学に役立つものであって良かった」「放射能は怖いものだと思っていたが、自然界にもあり、食べ物にも含まれていることがわかり、安心した」「みんながここで学べば福島への差別はなくなる」などが多く見られました。今も存在する放射性物質の危険を正確に認識し、それらから自分を防護することを学ぶ教育とは程遠いように感じます。

このような中で、沢山の損害賠償を求める裁判、行政に施策の誤りをただす裁判、刑事責任を問う裁判が開かれています。民事裁判では、東電や国が津波対策を怠ったことが認められた判決もあります。今年は次々と判決が出てきます。

昨年6月には、福島県民をはじめとする全国1万4千人からなる福島原発告訴団が、福島地方検察庁に刑事告訴をしたことから始まった刑事裁判の初公判がとうとう始まりました。被告人の東電の元最高幹部3人は、自分たちに責任はないと無罪を主張しましたが、検察官役の弁護士は東電の津波対策に対する不作為を証明する、多くの証拠をもって歴史的な闘いを開始しました。是非、注目をして下さい。現在、裁判長に宛てて、「厳正な判決を求める署名」を行っています。福島原発刑事訴訟支援団のHPに英語の署名サイトもありますので、ご協力をお願い致します。

東京電力福島原発刑事訴訟に「厳正な判決」を求める署名(日英仏)

今年の冬は、福島でも厳しい寒さでした。でも凍てつく土の下には、春に芽吹く植物の種が眠っています。新しい時代を夢見ることを忘れずに、今を誠実に生きていきましょう。そして世界の海がつながっているように、私たちもつながり続けましょう。

2018.3.11  福島にて  武藤類子

NEWS: Kazaguruma-Demo zum 7. Jahrestag von Fukushima

フクシマ7周年かざぐるまデモ
– 核の鎖を断ち切ろう!-

2018年3月10日13時より
ブランデンブルグ門/Brandenburger Tor-Pariser Platz, Berlin
::: 当日現地でかざぐるまを配布します:::

ブランデンブルグ門前にて13時より、今年もMad World Dance (Bodypoetことカズマ・グレン・モトムラとその仲間たち) 

Sayonara Nukes Berlinの創立メンバーの一人であるダンサー・振付師のカズマは自分をBodypoet(身体の詩人)と呼ぶ。彼は自分の身体で、踊りながら政治的、社会批判的なメッセージを表現します。彼のダンスパフォーマンスは私たちのかざぐるまデモではすでにもう「伝統」です。

毎年、違うテーマを捉えては、原子力エネルギーにまつわる複雑かつ多彩な問題点に批判的な光を投げかけます。今年も自分のダンスグループMad World Dance Projectを連れてくるBodypoetがデモでどのような身体の「詩」を見せてくれるのか、楽しみです!

 

デモ行進後の同場所でSympathetic Cardiogram、松崎大地によるライブペインティングと小野史敬によるパーカッションのパフォーマンスをそれぞれ予定しています。
松崎大地:大阪府出身。リズムとインスピレーションで筆が踊るポップスピリチュアルペインター。京都精華大学在学中からライブペインティングを始める。商店街イベント、祭、カフェ、美術館、ギャラリー、ライブハウスなど、様々な場所でパフォーマンスを行う。2012年から2014年4月まで世界一周、33ヶ国を旅しながら、各地でライブペインティグや壁画制作を行う。2016年10月より現在はドイツ、ベルリンで活動中。

小野史敬:打楽器奏者。日本の音楽大学を卒業し、現在ドイツにソロとオーケストラ音楽を学ぶため留学中。第14回PAS Italy Percussion Competition スネアドラム部門 優勝。またオリジナルの打楽器作品を発表するなど多岐に渡る活動を展開ている。


核兵器廃絶を求める国際キャンペーンICANは、
2017年にノーベル平和賞を受賞しましたが、核兵器は世界から消えたわけではありません。今でも、地球を何度も壊滅させるだけの核弾頭が世界には存在します。

脱原発の声はありながらも、2017年始めには世界31か国で計449基*の原子炉が稼働(または稼働可能状態)、2018年1月現在、ドイツではまだ7つの原子炉が稼働しています。日本にある原発54基はすべてフクシマの事故後停止されていましたが、市民の反対にもかかわらずすでに5基が再稼働しています。

原子力の民間利用と軍事利用は、同じコインの裏表であり、核の鎖でしっかり結びついています。核の鎖にはウラン採掘、研究用原子炉、ウラン濃縮工場、再処理工場という環が含まれ、最後に放射性廃棄物が残ります。いわゆる「原子力の平和利用」は、兵器として利用できる核物質を広める働きをしているのです。核兵器の廃絶と脱原発を求めるなら、この核の鎖全体を断ち切らなければいけません。

この核の鎖の環はどれも、何十万年も消えることのない放射性廃棄物やフォールアウトを生み出します。放射線は健康にとっても環境にとっても極めて危険で、何十年経った後でも、または世代を超えてがん、心血管疾患、代謝疾患、遺伝性欠陥などを起こします。そしてこの核の鎖が遺す放射性廃棄物には、適した保管方法は見つかっていません

広島・長崎の原爆投下から73年、チェルノブイリから32年、フクシマから7年が経った今、核の時代を過去のものとして葬るために、核の鎖を世界で断ち切ることが必至です!

私たちは次のことを求めます:
1.ウラン採掘を世界中で禁止する。ウランは地中に置いておくべきである。
2.核分裂性物質製造の停止。しかも兵器製造目的のいわゆるカットオフだけでなく、民間利用のための核分裂性物質製造も同様に停止する。
3.包括的核実験禁止条約を今こそ締結する*。
4.ドイツと日本は核兵器禁止条約を採択せよ。
5.すべての原発の停止と、新原発建設計画の破棄。
6.EURATOM(欧州原子力共同体*)契約を解消し、再生可能エネルギー促進契約に置き換える。

* 情報源: http://www.nuklearforum.ch/de/fakten-und-wissen/kernkraftwerke-der-welt
* 包括的核実験禁止条約はまだ未発効で、1963年の部分的核実験禁止条約しかまだ発効されていない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/部分的核実験禁止条約
https://ja.wikipedia.org/wiki/包括的核実験禁止条約
*EURATOM欧州原子力共同体は、原子力に特化した市場を創設して共同体中に原子力エネルギーを提供、かつ原子力エネルギーを開発して余剰分を非加盟国に売ることを目的とする。この共同体がEU内での原子力計画に対する融資制度を設けている。
参照: http://blog.ippnw.de/atomenergie-und-atomwaffen-unauflosbar-verbunden/

Website:
http://kazagurumademo.de/

主催:Sayonara Nukes Berlin
Anti-Atom-Berlin
Natur Freunde
共催:Greenpeace Energy
IPPNW Deutschland
Strahlentelex
Bürgerinitiative Luchow-Dannenberg
.ausgestrahlt
Rote Bete Berlin
LINKE Berlin
BUND
Coop Antikriegscafe
Kuhle Wampe Berlin
WOLF
ICAN
Deutsch-Japanische Gesellschaft Halle/Saalekreis eV

かざぐるまワークショップ2018

2018年のかざぐるまデモは3月10日土曜日に行われます。それに先駆けて、みんなで当日デモの参加者に配るかざぐるまを300本作りました。

2月24日土曜日、会場は Wolf Kino にスタジオを、お向かいのバー Heiner’s Bar には机を提供していただきました。Wolfは平日お昼にはおいしい日本食のランチが食べられる素敵なカフェのある映画館です。例年と比べて地元の家族連れなど多彩な顔ぶれで、最終的には50人以上の方が参加してくださりわいわいと楽しい日になりました。

 

今年のかざぐるまは、みどりさんデザインのかわいい模様つき仕様です。模様を裏にしたり、表にしたり、自分で模様を書き足したり、各参加者思い思いに楽しんでいました。

工程を分担して流れ作業方式にする机、個人個人でひとつずつ仕上げていく方式の机、偶然集まったグループながらもなんとなく作業の流れが作られていきます。

黙々と作業に没頭する人、情報交換をする人、おやつで一息いれる人、旧友と久しぶりの再会を喜ぶ人、ひとつ作るたびに外に駆け出して行ってちゃんと回るかテストをする子ども達。みんなが忙しくしているのだけど、とても優しい雰囲気です。身の回りの人と顔を合わせながら話をすることが何よりも大切だと改めて確認することができました。

力仕事を一手に引き受けるはりがね職人たちの机。SNBのメンバーが新年に拾い集めてきれいにした花火の棒に、適切な長さの針金を巻きつけていきます。

 

 

 

 

作業のモチベーションをあげるのに不可欠な、おいしいおやつ!ベルリン在住のパティシエ油田美里さんが忙しい合間を縫ってほうじ茶と黒糖のチーズケーキや抹茶と黒豆のケーキ、カリカリココアの乗ったベリーのタルトを焼いてくださいました!美里さんはお祝い事をはじめ、すてきなケーキの依頼を引き受けていますのでHPをチェックしてみてください。

SNBのメンバーが持ち寄ったお菓子や飲み物への寄付も入れて、合わせて183,21ユーロの収益になりました。大切にSNBの活動のために活用させていただきます。どうもありがとうございました!

 

 

 

かざぐるまを持ってデモでお会いしましょう!

NEWS:2月24日かざぐるまをつくるワークショップ開催

工作をしながらの午後のコーヒーはいかがですか?3月10日に開催される「かざぐるまデモ – 核の鎖を断ち切ろう! -」で配るかざぐるまをみんなでつくります。お子さまコーナーもありますので、ぜひご家族やご友人をお誘いあわせの上、足をお運びください。

日時:2月24日 
13時から17時
 場所:Wolf Kino Studio, Wildenbruchstr.5, 12045, Berlin
 ※会場のWolf Kino StudioはWolf Kinoとは別の建物です。入り口はKinoの右隣にあります。


世の中ざわざわしていてよくわからないことが多すぎる、と不安を抱えて過ごしている方も、お茶を飲みながら気軽にああだこうだとお話ししましょう。ご希望の方には、今さら誰かに聞きづらい、在外選挙権(ドイツに居ながら日本の選挙に参加できる制度)についてやさしく説明してあるリーフレットと申請書を配布いたします!申請は実は選挙のない今がチャンス、、、!

★会場でも用意がありますが、針金を切ったり曲げたりするペンチ、はさみや千枚通しをお持ちの方がいましたら、ご持参いただけるとうれしいです。

Was ist die Kazaguruma DEMO?
かざぐるまデモって?

 Kazaguruma Demo
 zum 7.Jahrestag von FUKUSHIMA
 Sa.10.3.2018
 ab 13:00Uhr
 Treffpunkt:Brandenburger Tor-Pariser Platz, Berlin

 www.kazagurumademo.de

今年は5年目のワークショップ。毎年、老若男女問わずベルリン在住のみなさんがお手伝いしてくださいます。これまでの模様は私たちの過去のブログでご覧になることができます。

 ・2017年度 http://snbblog.sundayresearch.eu/?p=3567
 ・2016年度 http://snbblog.sundayresearch.eu/?p=2840
 ・2015年度 http://snbblog.sundayresearch.eu/?p=1602
 ・2014年度 http://snbblog.sundayresearch.eu/?p=765

第6回 国際ウラン映画祭ベルリン2017

2017年10月11日から15日にかけて、ベルリンのKulturbrauereiの映画館で、ベルリンでは第6回目になる国際ウラン映画祭が開かれた。今年はそのプログラムの一環としてツァイスのプラネタリウムで協賛団体である
ドイツIPPNWが「世界の被ばく者」というパネル展示会を催し、そこで数本の短編映画も上映されるというおまけつきだった。

私はベルリンに来てからこのウラン映画祭を何年も一般の観客としてみてきたのだが、これからは積極的に応援していきたいと思ったのは、核・原子力・放射能を巡る問題だけをテーマにした映画(ドキュメンタリー、劇映画、アニメ、短編長編すべてを含む)を集めた世界でも稀なる映画祭があることにとても感銘を受けただけでなく、実際に私も知らなかったあらゆる世界での核に関する問題を提示され、勉強させられたことが少なくなかったからだ。同時に、広島・長崎やフクシマをテーマに、日本だけでなく世界中であらゆる映画が作られ、紹介されてきている。まだドイツでは紹介されていないものも多く、いい作品をここで紹介する橋渡しができるのではないか、翻訳などで協力することができるのではないか、と思っていた。また、去年Sayonara Nukes Berlin(以下SNB)がProtestivalでいろいろイベントをしていた時、ウラン映画祭でもチェルノブイリ30周年を記念したイベントを催したのだが、その時にSNBの代表として私をパネルディスカッションに呼んでくれたことをきっかけに個人的な交流が始まっていたことから、今回のベルリンでの映画祭にもっと強く関わることとなったのである。

でも、私が参加することを決定した理由は実は、もう一つある。去年「最優秀賞」をこのウラン映画祭で受賞した、フクシマを(一応)テーマにしたドキュメンタリー映画を見て、非常に失望したことだ。こんな映画に賞を上げるのか!と憤然としたくらいだった。あまり失望したのでそのことはその授賞式の際、監督とのトークで私は自分の意見も述べたくらいなのだが、この映画ではフクシマの問題というよりは、イタリア人のジャーナリストが個人的に菅直人(以下すべて敬称略)と親しいらしく、なんだか菅直人がそこで「ヒーロー」のように扱われており、そこで菅直人が自宅でくつろぎながら話している内容は、私たちにとってはまったく新しいことでも何でもないのに(これに関しては菅直人は本も出版し、それがドイツ語にも訳されている)、それをあたかも「スクープ」したかのように報告しているドキュメンタリーになっていることに私は面食らったのだった。それで、あまりに日本の事情を知らない人たちが映画を選んでいるからこういうことになるので、これは、もう少し日本のことを知っている人が映画祭のチームに入らないといけないのではないかと思ったのが、私の正直の気持ちだったのだ。

それでSNBとして、日本の映画の紹介に関して援助できることがあったらしたい、という申し出をしたところ、彼らも大変喜んでくれ、それでSNBが協賛団体として参加することになったのは、SNBのミーティングでもいつか報告したとおりである。

Aya Domenig作「太陽が落ちた日」
坂田雅子作「私の終わらない旅」

去年のウラン映画祭後から、2017年の準備に関わるようになり、それまであまり充実していなかったホームページの日本語版を少しずつ訳し始めたり、フクシマをめぐる映画、または日本の監督の作品を推薦してほしい、という要望に応え、新しい映画ではなかったが、私たちがProtestivalでも上映し、素晴らしかったAya Domenigの映画「太陽が落ちた日」と、その前にACUDでSNBが上映した坂田雅子の「私の終わらない旅」を推薦し、彼らに応募してもらって、この二作が上映される運びとなった。

松原保作「被ばく牛と生きる」

また、私とは別のルートで、フリーでドキュメンタリー映画監督、カメラマンとして活躍されている松原保が、「被ばく牛と生きる」というフクシマ事故後、被ばくした牛たちを殺さずに飼い続ける畜産農業に携わる人たちを巡る感動的なドキュメンタリー映画を応募したことを知った。坂田雅子とは二年半前にベルリンで会ってから、個人的に親しくさせていただいていることから、「いつかドイツ語の字幕が作りたいね」と話していたこともあったので、この機会に、ベルリンで上映される時には、やはりドイツ語の字幕があった方が観客には理解されやすいので、字幕を作ることとなった。

また、「被ばく牛と生きる」は、日本語版と並んですでに英語版が出来ているのだが、これも映画祭の方から、できればドイツ語訳を作ってほしいという希望があったので松原監督とコンタクトを取ってスクリプトをいただき、翻訳することになった。二作とも長編の映画で、ナレーションやインタビューシーンが多いため翻訳するテキストは多く、大変な作業ではあったのだが、私にとってはとても勉強になり、そしてやりがいのある仕事だった。もちろん、ドイツ語が母国語でない私は、翻訳を最終的にはいつものように大切な友人Annette Hackにチェックしてもらった。この二作の翻訳を仕事の傍ら完成させたのが9月の頭くらいである。私が関わることになった映画の翻訳を仕上げる上でAnnetteが気持ちよく協力してくれたことにここで改めてお礼を言いたい。

プログラムができ、今回は合計で27本の長編・短編映画が上映されることとなった。今年はブラジルのゴイアニアで起きた放射能事故からちょうど30年前になることから、それをテーマにした映画が多く上映されただけでなく、その記録写真展が展示され、生存者の一人で被害者グループの代表として活躍しているOdesson Alves Ferreiraが来独してその話を語った。そのほか、上映作品の監督が何人も訪れ、その作品の上映後には監督トークが行われた。松原保・坂田雅子両監督もこの映画祭のためにベルリンに来独したので、ここでは通訳を務めた。

このウラン映画祭は、リオデジャネイロに住むドイツ人のジャーナリストであり、自分でもかつてゴイアニアの放射能事故に関する映画を作ったこともあるNorbert Suchanekが2011年に始めたもので、翌年の2012年からはベルリンでも毎年開かれている。私が最初にこの映画祭に注目し始め何本か映画を見に行ったときは、私を入れて二人か三人ほどしか観客がいないようなこともあって、Pankowの映画館で寂しい思いをしたものだが、ベルリンのオフィスを代表して一人で奔騰しているJutta Wunderlichの努力の甲斐あって、去年くらいから規模が少しずつ大きくなってきた。協賛団体も増え、公的な団体、国会議員やベルリン市議会議員なども「後援者」となるほか、スポンサーができたことから、場所もKulturbrauereiの映画館という、町の中心に移ったし、プログラムも充実してきた。イベントを計画して実行に移し、運営することの大変さを、私も去年のProtestivalでいやというほど実感したが、それを続けていくことの意義を思って7年間映画祭をあらゆる困難を顧みず続けてきた人たちの尽力は素晴らしいし、また、SNBのようにそれを協力する人たち、団体たちも増え続けているのはうれしい。私は個人的にも映画が好きで、ことにこうした社会的、政治的テーマをたくさんの市民に訴えていくには、映画という媒体は適していると常々思っているからこそ、これまでもSNBで数々の映画を上映する努力をしてきたわけだが、それで今回からウラン映画祭を積極的に応援できることになって、私としては、自分の興味のある部分、能力を生かせる部分で運動を続けていく、ということがこういう形で実現できるのはうれしいと思った。

SNBのステッカーを手に授賞式で話をする松原保氏
受賞したトロフィーを持つ松原さん夫妻と私

最終日には数本映画が上映された後、賞の発表があった。最優秀賞に今回選ばれたのは「ムルロアから愛をこめて」という、フランスが行った一連の核実験で被ばくした元兵士や軍務関係者をレポートしたフランスのジャーナリストLarbi Benchiha監督のドキュメンタリー映画だった。短編映画最優秀賞にはブラジル・ゴイアニアの放射能事故をテーマにした劇映画Algo do que Fica (Something that remains)が選ばれた。それから今年は特別にBerlin Audience Awardというのが作られて、松原保監督の「被ばく牛と生きる」が受賞した。ジャンクアートを製作するブラジルのアーティストGetúlio Damadoが一つ一つ手作りする賞がそれぞれ手渡されるのだが、私は松原監督に賞を渡す役を引き受け、その時にSNBからのプレゼントとしてエコバッグとNo Nukesのステッカーを数枚贈らせてもらった。その時には舞台でばっちり、SNBが毎年かざぐるまデモを行っていることも宣伝してきた。

授賞式で

外で見ているのと、実際に運営に参加するのとでは大きな違いがあることは当然だが、成長しつつあるこの映画祭にもまだまだ改善の余地が多分にあることも分かった。賞を渡すのは意味のあることかもしれないが、数名でスタートさせた当時よりずっと規模も大きくなった映画祭では、Juryのメンバーも明記して、透明性を持たせるべきだし、今回は一つ一つの映画に「Filmpate」というのを設けて、俳優や舞台監督などにそれぞれの映画を推薦させる、というふうにしたのはいいが、それがあまり効果的に使われなかった(何のためにその人がいるのかわからないなど)、司会や進行などでも「素人的」な発言などが目立ってしまった、監督とのトークなどでも、司会がある程度リードしないと、誰かの発言が長くなりすぎてしまうなど、そばから見ていて気になるところはいくつかあった。

あまり「プロフェッショナル」になりすぎて大げさだったり尊大になったりするのはもっと嫌だから、そういう意味では「素人的」な部分があるのはいいのかもしれないが、こうしてたくさんの人を集めてイベントを行う以上、ある程度の枠は維持しないといけないように思った。でも、SNBでもデモの後、毎回「反省会」をしていることを伝え、この映画祭でもしようと呼び掛けたところ賛同を得、さっそく今週ウラン映画祭ベルリンスタッフで集まって反省会を行うことになっているので、いろいろ話し合い、来年は今年気になった部分を改善した素晴らしい映画祭が開けるよう、私も自分のできるところで努力したいと思う。私は、松原ご夫婦と知り合いになってお話がいろいろできたのが楽しかったし、今次のドキュメンタリー映画(ドイツの脱原発、エネルギーシフトをテーマ)を製作中の坂田雅子を手伝ってインタビューの通訳をしたりして、また充実した時間が持てたので、けっこう疲労はしたが、受け取ることの多い濃厚な時間だった。いい作品を紹介することで、ベルリンの市民に、核・原子力の恐ろしさ、核の鎖を断ち切る以外にないのだということを改めて考えてもらう機会を作ることに貢献できたことを喜びたい。これからも、SNBが「この作品はぜひベルリンでも紹介したい」というような映画があれば推薦し、ウラン映画祭で見られるようにしていければいいと思う。(ゆう)


国際ウラン映画祭 サイト:http://uraniumfilmfestival.org/de

日本語サイト:http://uraniumfilmfestival.org/ja

『太陽が落ちた日/ Als die Sonne vom Himmel fiel』 公式ウェブサイト(英/独):http://www.alsdiesonnevomhimmelfiel.com/

『私の終わらない旅』 公式ウェブサイト(和/英):http://www.cine.co.jp/owaranai_tabi/

『被ばく牛と生きる』 公式ウェブサイト(和/英):http://www.power-i.ne.jp/hibakuushi/

 

 

 

沖縄映画の夕べ「標的の村」上映会の報告

Sayonara Nukes Berlin(以降SNB)はこれまで、フクシマ原発事故をきっかけに反原発・核問題だけを扱い運動するワンイッシューのグループだったが、最近ことに安倍政権になってからあらゆる問題が日本では悪化し(それは日本のことだけではなく世界中の傾向ではあるが)、特定秘密保護法問題、憲法改悪問題、共謀罪、辺野古を始めとする沖縄の基地問題など、黙っていられない事態がどんどん出現している。ことに日本における基地の問題は、ジャーナリストの矢部宏治がその著書「日本はなぜ『基地』と『原発』を止められないのか」でもその本質を言い当てているように、根本的に通じる部分が多い。日本の戦後70年来の米国隷従の歴史が、この基地問題と原発問題に端的に集中して現れていると言っても言い過ぎではない気がする。そういう意味で、SNBとしてこの複雑で、よく知られていない沖縄の歴史をおさらいし、どういう問題を日本は抱え、どのような悲劇を沖縄の人たちが戦時中からずっと日本政府により与えられ続けてきたのか、勉強していく必要がある。

そこで、去年沖縄に行って、基地問題を現場で体験し、勉強してきた絆ベルリンの会長でありSNBでも活躍している福澤啓臣氏と、かつて長く沖縄に滞在し、現地での運動に参加してきたSoRAさんが中心になって、SNB初のArbeitskreis Okinawaを立ち上げた。彼らはすでに春、デモの後沖縄の勉強会を催したが、私はちょうど日本に行っていたため、参加できないでいた。

5月になって、ぜひ話題のドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会を開きたいと、福澤さん、SoRAさん、私で集まって相談し合った。SoRAさんが調べた結果、この琉球朝日放送制作、三上智恵監督の映画は上映権がなんと6万円もかかることが分かったため、この費用を調達するため、まずSNBがかつて二度も支援金をいただいたSelbsthilfe Netzwerkに依頼してみることとなった。申し込み締め切りまでに時間が数日しかなかったのだが、福澤さんがどうにか説明文と予算明細を出して申し込んだところ、上映権費用、会場費用、フライヤー等の印刷費用として計700ユーロを支援してもらえることとなった。また、ベルリン在住のY氏も主旨に賛成して、そのために寄付をしてくれた。

ということで、上映料が高いため、だめかもしれないと思っていたこの映画が思いがけず上映できることとなり、まずはその映画上映にふさわしい場所を探すこととなった。2年前に坂田雅子さんの「私の終わらない旅」を上映した映画館ACUDに問い合わせたところ、予定の日程でそこの映画館も借りることができ、ちゃんとした映画館で上映ができる運びとなったのは、うれしい限りだ。今年になってSNBの集まりに出席するようになった緑さんがこのArbeitskreis Okinawaでは全面的に協力してくれ、彼女がポスターやフライヤーのデザイン・レイアウトをしてくれただけでなく、会場に張り出す、沖縄の地図や簡単な説明、写真をレイアウトしたすばらしいInfotafelパネルを作成してくれた。また、福澤さんが上映に伴い、ドイツではあまり知られていない沖縄の歴史と基地闘争の背景を簡単に説明することにしたので、その説明文のネイティブチェックを、緑さんの友人のFriederikeさんに引き受けてもらった。こうして、「日本人の内輪の集まり」ではなく、ベルリン市民を対象としたOkinawa Filmabendの構想が温まっていった。

Face Book(以降FB)やその他のネット情報でイベントの宣伝をし、フライヤーを配ったりポスターを貼ったりはしたものの、実際にどれだけ人が集まるか、蓋を開けてみるまではわからない状態だった。FBで来る、と言ってくれていた人たちがかなりいたそうだが、FBをしない人もいるので、最後まで不安はあった。ところが、ACUDの映画館は定員が約80名だったのが、入場開始前の6時半頃よりどんどん人が入り始め、7時ちょっと前にはもう座席が 満員となるほど、入場数を数えた。それからもさらに入場者が訪れ、 7時を過ぎた頃はもう階段など、床にも人が座って満員状態になり、これ以上は人を入れることはできない、ということになったほどだ。おそらく100人は入っていたと思う。イベント開始後も会場に入らず、外で待機してくれていた人たちの話では、始まってからもさらに人が来て、断らなければならなかったのがさらに30名近くいた模様だ。来場者の85%は日本人ではないベルリン市民(ドイツ人を主とする)だったことも、私たちはとてもうれしく思った。急に暑くなった日で会場内は定員を超す人数のため蒸し暑く、決して快適ではなかった。

7時20分ごろ、私がSNBの名で挨拶をし、Netzwerk Selbsthilfeにお礼を言い、簡単に映画監督などの説明をしてから、福澤さんにバトンタッチした。約20分ほどの福澤さんの説明の後、映画上映を開始した。

映画は私も初めて見たが、素晴らしいものだった。高江の人々はただ、自分たちのすばらしい自然の中での自分たちの生活を続けたいだけなのに、それができないため、運動をせざるを得ないこと、その運動が彼らの生活の中心にならざるを得なくなっていることが改めて理解できた。オスプレイがどれだけ彼らの生活を脅かしているかについても、私のこれまでの認識は甘かった気がする。自分たちの土地が米国の基地に奪われ、平和な生活を脅かされるゆえ、非暴力で抵抗運動を続けざるを得ない彼らを、日本政府の権力が暴力(物理的な暴力と司法を使った暴力)で踏みにじり、市民を守るどころか市民を裏切り続け、痛め続けるその姿があまりにひどく、高江の人たちの悔しさ、悲しさ、情けなさが身に迫って、私も何度も涙ぐんでしまった。また、ベトナム戦争での兵士の訓練のため作られた「ベトナム村」 で高江の人たちが標的のベトナム人にさせられてきたことなど、私は全く知らなかった。今、高江の人たちが、高江の村の真ん中にヘリパッドを作る理由は、高江の村を仮想の標的とすることで練習しているに違いないと思っているのは、当然だ。それがどんなに屈辱的であり、かつ恐ろしいことなのか、日本人のほとんどは知らないし、それを沖縄の人たちに押し付けて平気できた私たちの罪をもっと意識しなければならないと思った。この映画を上映することができて、本当によかったと思う。

沖縄の伝統的なぶくぶく茶

映画は91分、蒸し暑い館内であるにもかかわらず、ほとんどの人たちが最後も残り、質疑応答に参加し、アンケートにもこたえ、そして解散後も館内で泡盛やぶくぶく茶(これはベルリンのお茶屋さんMachaMachaに勤めるYumiさんがドイツの日本茶大使に任命されてはじめて私たちの上映会でお茶をふるまう運びとなった、沖縄の伝統的なお茶)を飲み、パネルを見ながら、たくさんの方たちが意見交換や話し合いに残ってくれたことは、有意義だった。

アンケートの集計総数は78枚、ご協力いただいたみなさんありがとうございました

質疑応答では、「沖縄の人たちは北朝鮮のミサイル発射などの状況下で、米国に守ってもらっているような気持ちはあるのか」とか、「韓国にも米国の基地があり、そこでも反対運動があるが、彼らとの交流はあるのか」、などの質問があった。また、沖縄が独立した国家であったのを、日本が占領し、さらに第二次世界大戦敗戦後、米国に占領されてきた歴史について知らなかった人たちが多いので、説明は必要であったことが分かった。ドイツも同じ敗戦国として米国の基地問題を抱えているので、意識を持っている市民も多いし、この沖縄の歴史(それはもちろん、日本の恥ずかしい歴史でもある)が抱える特殊性についても理解してもらえたと思う。

SoRAさんが用意した高江のグッズ(Tシャツ、布巾等)、緑さんの作成したバッジ、SNBのグッズの売り上げ、そして上映会に対するカンパ金は合計で261.32 232.65ユーロだった。これはどちらも合計して、SoRAさんに日本に持って行ってもらい、日本円に換金したうえ、高江の活動に寄付したい。(※グッズの仕入れ費用が寄付金の合計額にまじっていたため、7月19日の最終会計報告書に基づき一部の金額を修正しました)

世界中であらゆる問題が噴出している今、そして日本でも共謀罪がひどい状態で可決され、さらに沖縄・辺野古の新基地建設に関しても、翁長知事を始めとする沖縄市民の感情を無視し逆なでしてどんどん埋め立て工事が進められるなど、事態は悪化する一方だが、それでもベルリンでこの沖縄の問題をテーマにしたイベントを行い、これだけ動員することができたことにSNBのArbeitskreis Okinawaとしては大変勇気づけられた。とにかく、市民が一人でも多く目を覚ますこと、問題を意識すること、理解することが世の中を変えていく第一歩だ。これからもあきらめずに私たちのできる立場で運動を続けていきたいと改めて仲間同士で言い合った夜となった。(ゆう)

SNBはWerkstatt der Kulturenの解体決定に断固として反対します!

私も最初、Werkstatt der KulturenからのMLでその通知を読んだとき、信じられませんでした。ベルリン市参事会は2017年6月に、1994年に「Wissmannstrasseビール醸造工場e.V – WERKSTATT DER KULTUREN」と締結された「Wissmannstrasseの旧ビール醸造工場利用契約」を2017年12月31日をもって解約する旨を言い渡したというのです。

そこで、関係者、愛好者、ファンが集まって、その廃止決定に反対する運動が始まりました。

WERKSTATT DER KULTURENは開設以来、あらゆるルーツ、文化背景をもつベルリン市民が、その多彩性をそのままに表現をし、同時に政治的・社会的問題を捉えて議論し合い、音楽・芸術・映画・講演などを通して訴えることのできる、素晴らしいプラットフォームとして活動してきました。

去年SNBがProtestivalであらゆるイベントを計画した時にも、ちょうどベルリン在住のジャズミュージシャンである安藤明さんがイニシエートし、Werkstatt der Kulturenで実現することになったFukushima the Aftermathに共催させていただけることとなり、ここで芸術・音楽・言葉を通じてフクシマの現状を提起・議論する場所を設けてもらい、たくさんの観客が動員できたことは、皆さんの記憶にもまだ新しいと思います。ここでは私たちのあらゆる質問や問題の担当者となってくれたRätherさんが、誠意をもって最後まで対応してくれ、すばらしい共同作業を行うことができました。このような場所を与えてくださったことをもう一度感謝すると同時に、この場所がなくなることを認めたくありません。こうした場は、ベルリンにこそなくてはならないもので、これをベルリンがみすみす「廃止」してしまうというのは断固として納得できません。

多彩な文化をそれぞれが持ち寄り、複雑かつ味わい深い社会を可能にし、それぞれの多彩性、違いを謳歌しながら共存する社会を私たちは望んでいます。そのことをいち早く取り上げ、プログラムに反映させてきた存在として、WERKSTATT DER KULTUREN はベルリンだけでなくドイツ全体でも珍しいものです。ここでは旧植民地、移民・難民、差別されてきた(いる)あらゆる少数波グループの問題、その他政治・社会問題をあらゆる文化・芸術・アクション形式にして取り上げ、議論し合うプラットフォームを提供し続けてきてくれました。

どうしてベルリン市参事会が、難民問題やポピュリズムの危険がこれまでよりずっと迫っている今、こうした重要な場を廃止してしまうのか、全く理解に苦しみます。理由を求めても、答えは得られなかったそうです。

皆さんも、この市参事会の決定を拒否し、Werkstatt der Kulturen存続を求めるなら、ぜひ反対のメールを以下のSenatorenに送ってください。また、オンラインでもPetitionにサインできますので、ご協力お願いします。

Elke Breitenbach (DIE LINKE), Senatorin für Integration, Arbeit und Soziales, Senatorin@senias.berlin.de
Dr. Klaus Lederer (DIE LINKE), Bürgermeister und Senator für Kultur und Europa, klaus.lederer@kultur.berlin.de.

オンラインによるペティションはこちら: Online-Petition „Nein zur Abschaffung der WERKSTATT DER KULTUREN

オンラインでなく自筆で署名したい方は、Werkstatt der Kulturenの事務所で、火曜から金曜まで、12時から18時の間、署名が可能です。

6月28日(水)『標的の村』上映会 “Okinawa Filmabend”

2017年6月28日(水)19時、ベルリンのACUDkinoにて
Okinawa Filmabend” と題し、
入場無料の映画上映会を開催します。

第一弾目の今回は、沖縄県の中でも特に、北部にある東村の高江という集落に焦点を絞って描かれた三上智恵監督作品(2013)
標的の村』 を上映いたします。

映画の後にはフリータイムを設けています。希望する方はこの時間に数量限定のやんばるの泡盛とちんすこうもあわせてお楽しみいただければと思います。
英語字幕付きですので、お友達をお誘いの上どうぞお気軽にお越しください。

Okinawa Filmabend
2017.06.28 (水) 19:00
ACUD Kino (Veteranenstrasse 21, 10119 Mitte, Berlin)
入場無料

🎬 『標的の村』上映 (91分) + Q&A
🎤   沖縄歴史解説
👕   高江オリジナルグッズの販売
[数量限定] ちんすこう / やんばるの泡盛 まる田

— 映画『標的の村

ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設や新型輸送機オスプレイ配備に反対する沖縄県東村高江の住民たちの姿を記録したドキュメンタリー映画。2012年9月29日、オスプレイが配備される前夜に普天間基地ゲート前に座り込んだ人々が、強制排除に乗り出した警察と衝突する様子の一部始終など、反対運動を続ける住民たちに寄り添いながら、沖縄の米軍基地問題の歴史を紐解いていく。琉球朝日放送制作、三上智恵監督作品。

19:00   開場
19:20   沖縄の歴史解説
20:00『標的の村(英語字幕付)』上映スタート(91分)
21:40   Q&Aタイム、その後フリータイム

 

標的の村』劇場予告

国際ウラニウム映画祭の Crowdfunding はじまる

国際ウラニウム映画祭が,Internationales Uranium Film Festival Berlin のために Crowdfunding を立ち上げました。

この映画祭は,原発を始め,ウラン採掘,核実験,原爆水爆,そして原発事故,死の灰のごみ処理問題,核エネルギー一般などをテーマにする,世界各地で作られたドキュメンタリー映画・劇映画を応募してもらい,その中から選ばれたものを上映するという映画祭です。映画祭の最後には,ウラニウム映画祭賞(Yellow Oscar) が最優秀作品に与えられます。Yellow はもちろん,ウランの色です。

映画祭のための Crowdfunding に興味ある方は以下のページをご覧下さい。

https://www.ecocrowd.de/projekte/internationales-uranium-film-festival-berlin-iuffberlin/  (ドイツ語)

これには 1 ユーロからでも参加でき,また,ファンディングアイテムによってはチケットやグッズなどを入手するという形でも協力することができます。

国際ウラニウム映画祭参考リンク

福島から 6 年かざぐるまデモ 2017 in Berlin-原発のない未来を!

2017年3月11日、福島第一原子力発電所の事故から6年目のこの日、私たちSayonara Nukes Berlinは、在独団体のAnti Atom BerlinNaturfreundeと共同で、今年もまた希望の象徴であるかざぐるまを手に、福島帰還政策の廃止や賠償金の継続を訴え、世界中の脱原発と自然エネルギーへの転換を求めてかざぐるまデモを行った。

ⒸTsukasa Yajima

集合時間を前にジャンダルメンマルクトでは、ベルリンに在住するアーティスト松崎大地さんのライブペインティングと小野史敬さんのパーカッションのパフォーマンスも。

 

NaturFreundeのウヴェ・ヒクシュ(Uwe Hiksch)さんによるはじまりの挨拶。ⒸTsukasa Yajima
福島第一原子力発電所事故被害者の武藤類子さんから欧州に寄せられた手紙で福島の近況を読み上げるSayonara Nukes Berlinの梶川ゆう。 ⒸTsukasa Yajima

この日のスピーチのいずれもが素晴らしいものであったので、その一部を和訳で紹介したい。

 

 

 

Ruiko Muto

福島第一原子力発電所事故被害者で三春町在住の武藤類子さんは、欧州に宛てて書かれた手紙の中で、福島県の原発事故は今も収束してはいないこと、事故のために人生を大きく変えられてしまった避難者たちが国と福島県の帰還政策によって住宅無償提供の打ち切りを強行されていること、刻一刻と避難指示が解除されていく地域には除染廃棄物が山積みされ、減容化のための焼却炉が作られていることなどを伝えた。

武藤類子さんのメッセージ和訳

ゴアレーベンからかざぐるまデモにかけつけてくれたElisabeth Hafner-Reckersさん             ⒸTsukasa Yajima

ゴアレーベンの市民グループ環境保護 Lüchow-Dannenbergの副理事長であるエリザベス・ハフナー・レッカース(Elisabeth Hafner-Reckers)さんは、私たちは福島の事故のもたらした出来事から警告を得て目を覚まし、起こりうる災難をどうしたらいいのか考えていくことができること、世界中のたくさんの人たちと一緒になって、エネルギーを産むほかの方法を取り、ライフクオリティーの高い(経済)成長を要求していくだけの心の準備のある現実主義者であると述べた。

Elisabeth Hafner-Reckers さんのスピーチ和訳

放射線テレックス(放射能、放射線および健康に関する 独立情報誌)発行者Thomas Derseeさん     ⒸTsukasa Yajima

放射線テレックスの発行者であるトーマス・デアゼー(Thomas Dersee)さんはたびたび訪れる福島で、事故後のがれきや除染などによって出る廃棄物の黒い袋が山積みになっている様子と、2016年6月末には日本の環境省が汚染土の再利用を許可しており、これらが道路や堤防作りなどの公共工事の基礎に使われることになってしまっていること、ドイツでも廃炉となった原発から解体されて出てくる放射性廃棄物のほとんどが、再利用されるか一般の家庭から出されるごみと一緒にゴミ捨て場に廃棄されていると話してくれた。

Thomas Derseeさんのスピーチ和訳

Greenpeace Energyの風力発電がかざぐるまのイメージにぴったりであると、昨年から私たちの活動を支援してくれている。広報担当のChristoph Raschさん    ⒸTsukasa Yajima

Greenpeace Energyの広報担当者であるクリストフ・ラシュ(Christoph Rasch)さんは、自然環境的にも、経済的にも、倫理的にも原子力発電にはもはや破綻が来ているにもかかわらず、我々の近隣諸国は原発ロビーのプレッシャーに屈服し、欧州諸国でまたも原発の新設が計画され欧州委員会によって許可が与えられることとなっている現実と、消費者として私たちが取り組むべきことを訴えた。

Christoph Raschさんのスピーチ

 

 

Mad World Danceとして風刺パフォーマンスを見せるベルリン在住のダンサーたち                                  ⒸTsukasa Yajima

デモ行進を終え、到着地のブランデンブルグ門前では、今年もダンサーで振付師である、BodypoetことKazuma Glen Motomura率いるMad World Dance が原発に物言えぬ市民たちをテーマに風刺パフォーマンスを見せてくれた。

 

今年も木内みどりさんから贈られた”福島を忘れないで”のバナーが思いを一つにベルリンの中心地を行進した。ⒸTsukasa Yajima

好天に恵まれるも参加者は例年より少なく、未だ収束されるには程遠い福島の事故への関心が薄れていくのを感じると同時に、私たちがこの活動に今後とも取り組んでいくことの大切さをあらためて考えさせられる年となった。

原発のない未来を求めて! ⒸTsukasa Yajima
ⒸTsukasa Yajima

この日のはじまりにライブペイントで描かれた松崎大地さんの作品を、経費とアーティストへの謝礼と引き換えに希望者にお譲りします。下記メールアドレスまで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

sayonara-nukes-berlin[at]posteo.net

[]のatを@に変えてご送信ください。


報道:

“Für Zukunft ohne Atomanlagen!” – Sechs Jahre Fukushima: Demo gegen Atomkraft in Berlin | rbb Rundfunk Berlin-Brandenburg

Abendschau/ rbb Rundfunk Berlin-Brandenburg

Demonstration gegen Atomkraft in Berlin | evangelisch.de


Foto:

※Sayonara Nukes Berlinは、プロの写真家の方からイベント時の写真を提供していただいています。お写真を二次使用される際には、かならず撮影者にお問い合わせの上、キャプションにそれぞれの撮影者の名前をおつけください。

Tsukasa Yajima


動画:

Nobel & Frei

Mahnwache Kanzleramt


Blog:

5度目のデモ ~Kazaguruma Demo 2017~ : チーム名はファミリエ・ベア ~ハイジが記すクマ達との日々~

 

No nukes, clean energy