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“ヤクザと原発” 福島第一潜入記ドイツ語版出版記念講読会

3月13日、ハンブルグに次いでベルリンでも”ヤクザと原発”のドイツ語版の出版を記念し、著者である鈴木智彦氏を招いての講読会が開催された。鈴木氏は、ジャーナリストという職業柄、自身が取材を受けるのは苦手であると断った上で、ジャーナリストとしては初めて事故後の福島第一原発に入ったので自分には応える義務があると、原発に関しては世界40~50か国からの取材を受けたそうだ。

また日本では福島の事故で民衆が分断し、大事なエネルギーの問題や将来の問題を話さなければならない中、それが叶わず、残念な状況にあると話された。

来場者を前に執筆の経緯を話す鈴木氏

もともとは原発への反対も推進する意図もなく、ジャーナリストとしてまだ誰もやっていないことをしようという目論見から潜入取材を試み、著書を出版された鈴木氏である。

著書については、ご自身が実際に見てこられた作業工程の他には、私たちのグループ内の読者からも不明瞭で精査性がないという感想が多かったように思う。私自身も疑問を抱えての読了、一部の単位や表現については合点がいかず専門家に確認する必要もあった。しかし一部のメンバーからは、ヤクザと原発をつなぐ着眼点がこれまでにない発想であるとの高い評価もあり、私は最終的には著書の中身よりも、この日、鈴木氏がお話になった演説や質疑応答にスッキリするものがあり、好感触を抱くことができた。

この日は本に書かれなかったことでは、原発の労働者にヤクザが入っていると疑ってから、福島県内で二番目に大きな指定暴力団を何度も観察に訪れるうち、所有車が次第に国産車から高価な外国車に移り変わる様子に気づいたという。会場からは度々笑いの声も。

日本の出版社からは暴力団からのクレームを恐れ、仮名表記との希望があった。そうした中、外国のメディアが取材に訪れては実名報道に勤しむ姿を目の当たりにし、この本を書いて日本の電力、権力がおかしいと思ったが、僕ら日本のメディアもおかしいのだと知ったと鈴木氏。

―東京電力の幹部から関連企業に”死んでもいい人間を集めてくれ” 事故当時、労働者を集めることができるのは暴力団だけだった

ヤクザがその体制を生かし、普段から組員一人当たりが10人から20人ほどの労働者を囲い、仕事に応じて派遣するのを知っていた鈴木さんは、東京や大阪の日雇い労働者をあたる。しかし事故後の混乱の最中では、信ぴょう性の薄い情報が飛び交い、次第に鈴木氏は自身が労働者の中に入っていく必要性を感じることとなる。

―みなさんが僕の目を借りて、原発を見るわけだし、日本を見るわけだし、なるべく正確に応えようと思っている

会場は満席、活発な質疑が寄せられた

事故後の福島第一原発で働く労働者たちの中には、一定の被ばく線量に達することで職を失う事から、線量計の位置をずらしたり、休憩時間にカバンにしまうなどの工作をされる方がよくいたそうだ。

来場者から途切れることなく寄せられた質疑Qと鈴木氏の回答Aの一部を以下に紹介する。

Q:”使い捨て作業員”信じられないが、一緒に働いていた仲間が線量を浴びて病気になったり亡くなったりするのを見て怖くなったり辞めたいと思うような作業員はいないのか
A:そういう人は爆発の時点で辞めていった。事故後に来ている作業員で後の健康等を考えている人間はほとんどいなかった
Q:なぜヤクザは(原発から)なくならないか 
A:原発はみんな嫌だ、土地にはお金が落ちて東電や東芝らは書類さえ揃えば良いと、地域のことは地域でやってくれと丸投げする、そうして原発が建つまでのプロセスに初めからいることで排除できなくなっている
Q:潜入取材の中で親しくなって、作業員らが本当に放射線への恐れも知識もない、それは信じられないが、他にも話を聞いたか
A:子どもをつくることができなくなるなどの多少の知識やパニックはあったが多くの作業員がヒロイズムに浸り、酔っていた。たくさんの労働者が逃げて、自分は日本を救うために残った、怖いとは言えない。直後であったために冷静に考える余裕がなかった
Q:原爆の被害をよく知っているはずの日本の方たちが、こんなに技術や学業が発達した国で、どうしてこのような仕事ができるのか 
A:日本は学歴やステータスによってまるで住む世界が違う。(原発の)末端の労働者は情報弱者、知らないし知ろうともしない人たち
セバスチャン・プフルークバイル(Sebastian Pflugbeil)博士、物理学者・ドイツ放射線防護協会会長

ここでセバスチャン・プフルークバイル博士から、原発というのはもともと技術が発達してはじまったわけだが、ウランを扱うところからも健康被害があると最初からわかっていた技術でもあり、被害がないという事はあり得ないのが原発である。作業員の使い捨てということが前提となって行われている技術なのだから、もっとフェアに労働者を雇い、被害があった場合に対策をすることを考えなければならない。線量が高いということもあり、もしどんなにきちんと防護服やマスクを身に着けても被ばくを防げないことがあるはずだというようにおっしゃった。

Q:東電をかばうつもりはないが、あんなに暑い中でも防護マスクや防護服を身に着けなければ働けなかったわけでそれなりのことはしているのではないか
A:防護服はただの紙で、放射線を防ぐ役目はない。目的はホコリの中に舞う放射線物質の持ち帰りと拡散を防ぐことのみ
翻訳に携わったフェリックス・ヤヴィンスキ(Felix Jawinski)氏

同時通訳をされ、著書の翻訳にも携わったライプツィヒ大学のフェリックス・ヤヴィンスキ(Felix Jawinski)氏から、防護服というものは鉛ではなくて、完全に被ばくを防ぐものではないとの補足が。

 

 

 

 

 

―鉛で遮蔽されたスーツなんてないんです。そんなものが必要な可能性は絶対にないから、そんな装備はいらないというのが日本の原発の考え方

実際に現場で着衣される作業着を広げる鈴木氏。これではほとんどの放射線を防ぐことはできない
Q:私たちはどのように助けることができるだろうか
A:技術的なことでは仏アレバをはじめとする世界中の技術者が参入し事故の収束に当たっていることからも心配はないと思う。しかし日本はこんな事故の後でも原発をつくろうとしていて、理性的に原発のことを話せる場を日本人は持つべきだ。外国の報道を見て日本や原発の様子がおかしいことに気づくし、ドイツでの議論がマスコミを介して日本に伝わることで、もっと日本での議論の手伝いになる
© Verlag Assoziation A ヤクザと原発ドイツ語版 ”INSIDEFUKUSHIMA”

以上、この日の質疑応答の様子が素晴らしかったので、ライブ形式での記事とした。R

 

民主主義、それは捨ててもいい ツァイトオンラインの記事和訳

Japan: Demokratie, das kann weg

―民主主義、それは捨ててもいい

 

 
日曜の参院選で、日本人は彼らの自由について採決するのかもしれない。安倍首相はそれを制限したい。しかし多くの有権者はそれに気づいていないようだ。
 
フェリックス・リル、東京、ツァイトオンライン
 
東京の通りのプラカードはいつもと同じような約束を意図する。
安倍が首相になってから近年の快適なテーマ:人びとにもっとお金が回るために消費税の値上げの遅延。
より多くの雇用をもたらす経済回復。そして国家の強化:日本はもちろんすべての人の福祉のため、ますますグローバル化する世界で力強さを保つ。誰がそのような曖昧な言葉で表現したアイデアにノーを言うでしょう。
 
安倍晋三は2012年、2013年、2014年の選挙の勝利の後、今回も過半数を制するようだ。日曜、日本人は影響の少ない参議院の選挙をする。そこで242議席の半分が新しく与えられる。まず第一に、重要でない投票には見えるが、国を根本的に変化させる選挙になる可能性がある。つまり安倍は、自民党とその同志で三分の二議席が取れるなら、彼の好きではない日本の憲法を変える重要な障害物を取り除くことを完了し、日本はもう第二次世界大戦後に自由であった国ではなくなるだろう。
 
三年半前から、有罪判決を受けた戦争犯罪者である総理大臣の孫、62歳のナショナリストは、かつて日本をアジアの中の最初の自由な民主主義国家にした分子を弱らせようとしている。彼の経済戦略による経済ブームを約束し、2012年の年末には確かな過半数で選挙された後、まもなく特定秘密保護法を通過させた。それからは政府がある際どいと判断したテーマを公衆から遠ざけておく権利があり、告発またはそれについての報道は今では刑務所で処罰される。
その上まもなく安倍は日本国憲法の新しい解釈を達成した。第二次世界大戦の後で戦勝国の米国に決定的に書かれたテキスト、憲法9条はいかなる場合も武力の行使を禁止する。
 
安倍のようなナショナリストから見ると日本は9条によって去勢されている。多くの人々が憲法違反だと考え、アンケートでは日本人の多数が誤りであるとした新しい解釈は、ある特定な条件で軍隊の海外派遣を容認する。例えば日本の存在に関わる意味のある連合国の安全を防衛する場合。新解釈は国防予算の増員と日本の軍需品の輸出の新たな可能性を伴う。
去年安倍内閣は学問に的を絞った。すべての国立大に宛てた手紙で、当時の文部科学大臣が、大学から社会学と精神科学をなくすことを催促した。研究と教育は、実用的でもっと応用的な教育を提供し、社会のニーズにより望ましく適合させるべき。これに従い、コンピューター、ロボット工学と医学のような学科を増進させるべき。哲学と外国語ではなく、これらは未来の成長産業部門である。政府は、学校では生徒と教師は政治的な活動をしてはいけないということを明確にした。公にイデオロギーにとらわれない学習空間を保証するためだ。
(本記事の中の “praktischere, mehr angewandte Bildung anbieten, die besser auf die Notwendigkeiten der Gesellschaft eingestellt” は、本来は実際の大臣の文言をじかに表しているのですが、原文を見つけることができなかったため、こちらも翻訳しました)
※後半部は近々更新します。

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Verfassung wie in den 1930er Jahren

-1930年代の様な憲法

 

これらの多くの歩みは一つ一つ見ると、今の日本の特殊な状況によって正当化できる。日本は北朝鮮や中国のような好戦的で拡張主義的な国々に囲まれていて、NATOのような軍事同盟のメンバーでないので、平和主義の憲法の新解釈には意味があり得る。その上、太平洋での戦略的提携国アメリカは、徐々に軍事展開を縮小している。

同様に安全保障は正当化できる:すべての国は同じような法律を持っている。なぜ日本はいけないのか?しかし、この場合のタイミングが怪しい:安全保障はいつ実施になったかというと、福島の事故の後で、政府と東京電力の有罪と公然の陳述の嘘を明らかにしている詳細が重ねて表面化していた時であった。安全保障が実施になってから、福島については妙に静かになった。報道の自由の国際的比較で、日本は他の自由な国より大変に遅れを取っている。また研究と教育への干渉の理由は、就職市場とイデオロギーにとらわれないことだけでないようだ。安倍の文教政策の反対者は、ますますの経済化だけではなく、反政府勢力が口止めされることにも慷慨している。そしてそれらは特に学校や精神科学と社会学の学部に集中している。

現在、安倍の自民党の半民主主義的志操を一番明らかにしているのは参院選で可能になる予定の憲法改正である。安倍は、平和主義的な9条だけでなく、出来れば全てのテキストを作り直したがっている。政府党の憲法案によって、表現の自由と集会の自由は公の秩序に障ると、すぐ制限できるようになる予定である。憲法案では公の秩序というものは定義していない。だが、インプリケーションが明らかである:それによって、個人の権利は集団の権利に従属させられる。東京の名高い明治大学の法学教授のローレンス・リピタによると、安倍が予定している憲法テキストの人間像は1930年代のそれだ。

改憲案によっては、今後の憲法改正も今より簡単になる。今までは、衆院でも今選挙される参院でも三分の二以上の賛成の上に国民投票が必要だが、新しい憲法ではその障害物を安定多数まで下げる。衆院では、安倍の自民党と憲法改正を望んでいる他の勢力は必要な賛成を得そうだが、参院では得るのが難しく121のうち79の賛成票が必要である。憲法改正が国会を通るのであれば、何人かのオブサーバによると多くの投票者の政治的常識が足りないために国民投票はより低い障害物となる。

現実となれば、日本は報道の自由と世界一流の研究の展望、一意的で平和主義的な憲法にさようならと云うだけではなく、どの現代的な民主主義国家にもある一番基本的な自由も、個人的な政治家の見計らいに依存するものになる。それを止めるために、野党は珍しく力を合わせた。社会民主党と共産党は今回の選挙で共同に候補者を立てている。安倍晋三がこれ以上に強くならないように。
それが足りるかは不確かである。安倍の選挙対策の焦点にあるのは、前の三つの選挙の時と同じように、多くの投票者がまだ期待をかけている経済政策のテーマである。その上、3.11以来、当時の政権を握り、一番力を持っている野党の民主党(現民進党)の信用性は大変に弱くなっている。
前回と同じように、有権者の半分ぐらいは選挙に行かないだろう。多くは失望している。だから、安倍晋三は比較的高い支持率を得たまま、それが変わらない様に特に何もしなくてもいい。彼はただ経済政策の他に何を企画するかについてあまり高らかに話さないほうがいい。しかし、それは熟練している。

(2016年7月14日更新)

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元記事

Japan: Demokratie, das kann weg | ZEIT ONLINE:

http://www.zeit.de/politik/ausland/2016-07/japan-oberhaus-wahl-demokratie-shinzo-abe

橋本美香さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、ベルリンで3月11日から長期にわたって開催中の「核エネルギーと民主主義」をテーマにしたProtestival2016。このテーマに沿って様々な職業人の立場からいただいたインタビューを連載しています。第七回目はシンガーソングライターで、制服向上委員会の名誉会長でもある橋本美香さんにお話を伺いました。

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ルポライター山秋真さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、ベルリンで3月11日から長期にわたって開催中の「核エネルギーと民主主義」をテーマにしたProtestival2016。このテーマに沿って様々な職業人の立場からいただいたインタビューを連載しています。第六回目は、脱原発の希望がたくさん詰まった「原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ」の著者である山秋真さんにお話を伺いました。

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世界から原発をなくそう! かざぐるまデモ2016

今年で福島の事故から5年、チェルノブイリの事故からは30年という節目の年を迎えました。計画的に脱原発への道を歩みつつあるドイツの首都ベルリンで、去る3月19日希望の象徴であるかざぐるまを手に、事故の続く隣国の原発への不安についても訴え、”世界から原発をなくそう!” ”核エネルギーよりグリーンエネルギーを!”とベルリンの中心地で声をあげました。

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集合場所のポツダマープラッツ
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ベルリン滞在中の慶応大学の教授、小熊英二さん。前日はベルリンで監督のトークセッション付き「首相官邸の前で」の上映会がありました
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自作の川柳プラカードを手にするレイバーネットのメンバーらと、かざぐるまを配る姿が好評だったライプツィヒ大学東アジア学科の元教授小林敏明さん
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急な申し出にも関わらず快くトラックのOrdnerを引き受けてくれた参加者の2人

 

THE NUCLEAR WEDDING from Frank Döllinger on Vimeo.

おなじみMad World Dance の風刺劇”Nuclear Wedding”

 

昨年のかざぐるまデモで木内みどりさんからいただいた、経産省前テントひろばとおそろいの”福島を忘れるな”の横断幕を前に演説が始まりました。

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Aktion Tschernobyl-Kinder e.V. からイリーナさん。Irina Gruschewaja, Stiftungsgründerin „Kinder von Tschernobyl“
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SNBを代表して梶川ゆうさん

開始前にかざぐるまを配り、3月11日から4月26日にかけて開催中の Protestival 2016のパンフレットを紹介していたところ、旅行中の十代の若者の集団がかざぐるまを手に取り最終地点まで一緒にデモ行進するなど飛び入り参加が多数ありました。

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グリーンピースのソーラードラムス隊の元気な演奏に合わせてデモ行進がスタート。Sorar Drums von Greenpeace.
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青空が広がり、春の陽気に恵まれて、ピーク時にはおよそ700の黄色い風車がくるくるとよく回った
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集合のポツダマープラッツからフリードリヒストラッセを通り終点のブランデンブルク門へ向かう
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ドイツのデモは大きな道路を閉鎖して気持ちよく行進する
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先頭には警察車両が2台、警察官の皆さんも終始リラックスムードで私たちと一緒に歩きます。Danke!

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ベルリン在住のミュージシャンたち。上)Manami Nagahariさん、 下)Sub Human BrosYukata Sakamotoさん
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Bürgerinitiative Umweltschutz Lüchow-Dannenberg の理事マーティン・ドナートさんは廃棄/解体/核廃棄物委員会について。 Martin Donath, Vorstand Bürgerinitiative Umweltschutz Lüchow-Dannenberg zu Endlagerung/Rückbau/Atommüll-Kommission
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元原発技術者であるイギリス人のピーター・スミスさんからヒンクリーポイントについて。Peter Smith, ehemaliger Atomingenieur von Hinkely Point
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IPPNWから低放射線の影響について。Jonathan Lauryn, IPPNW zu Auswirkungen der Niedrigstrahlung
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Regina Schulze von Anti Atom Berlin zu Atomkraft
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最後まであたたかい日差しに恵まれたブランデンブルク門前

福島の事故は5年を経てもなお収束の兆しが見えていません。事故から30年を迎えたチェルノブイリ原発では、新たなシェルターで今からなんと100年もの間、事故を起こした4号機を石棺ごと封じ込めようとしています。

脱原発を望む市民の声を無視し、原発の再稼働に邁進する日本の現政権の狂気に対して、声を上げ続けることに疲れてしまうこともあるでしょう。しかし、例え小さくとも声をあげ続けることであなたの元にも仲間が集い、たちまち連帯の輪が広がるはずです。

みんなの声を合わせて、”世界から原発をなくそう!”

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報道 :

Abendschau / rbb Rundfunk Berlin-Brandenburg http://www.rbb-online.de/abendschau/archiv/20160319_1930/nachrichten_eins.html

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Foto :

※Sayonara Nukes Berlinでは、プロの写真家の方などからイベント時の写真を提供していただいています。お写真を二次使用される際には、かならずキャプションにそれぞれの撮影者の名前をおつけください。

Tsukasa Yajima

Uwe Hiksch

Marco Gerhardt

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Blog :

明日うらしま ベルリン脱原発かざぐるまデモ写真報告:Bilderbericht von KAZAGURUMA-Demo in Berlin 19.3.2016

レイバーネット 川柳プラカードが大人気!~ベルリンで「脱原発かざぐるまデモ」

ちきゅう座

ますだいっこうのあと@ベルリン  反原発かざぐるまデモ/『Uni*Form』

 

 

日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第五回目はドイツ出身で日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんにお話を伺いました。 続きを読む 日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんに聞く「核エネルギーと民主主義」

マック赤坂さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

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12月23日渋谷駅ハチ公口にて

12月23日都内のカフェにて

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第四回目はスマイル党のマック赤坂さんにお話を伺いました。

「核エネルギーと民主主義は全然関係ない、結び付かないもの」

-原発に反対するようになったのはいつからですか

マック 私の場合は反原発で立候補しているわけではない、恒久平和なんです。スマイル党だから。その平和を阻害する一つの要因だよね、原発は。代替エネルギーもいっぱいあるわけだから、それを開発するのが第一義であって、原発を続けるというのは平和に反する。だから反対してきたわけです。

-実際に国会に入ったとして原発に対して何ができますか

マック 反核だからね、私は。原子力を発電に使うと、ある意味では平和利用なんだけど、原子力っていうのは武器になる。その原子力に私は反対するわけです。それが平和に使われようが武器に使われようが、人体にも影響することからも、原発はできるだけすみやかになくして、代替エネルギーを開発する。

―日本を何とかしたいと考えた時、ストレートに政治に関わって行く事、立候補に向かったマックさん

マック 私はスマイルセラピーだからね、基本は。スマイルを広めたいということです。日本の人は未だに全然スマイルができない。それとやっぱりマインドがネガティブだよね。鬱病だらけじゃない、日本人。アメリカでさえ鬱病患者がどんどん増えてるわけですよ。だから私が出る意味あるんじゃないかということですよ。で後はやっぱり平和だよね。いま、自公政権はとんでもないことやろうとしてる。徴兵制にもつながる。それこそ核兵器の核武装につながって行きますよ、そのうち。

-選挙の他には個人としてこれから何をしていきたいですか?

マック 私は3つ持ってる。ひとつは貿易業でレアメタル、それからスマイルセラピー、もうひとつはスマイル党ですね。この3つ!

-マックさんの会社の方はみなさん笑っていますか?

マック いや、必ずしも笑ってないよね(笑)

―世の中の人が笑っていないということですが、何かメッセージがありますか

マック 下を向いて歩く人が多いよね日本人。もちろんスマイルもできない。下を向くと同時にまわりを見るよね。なんで自分の思想と哲学で行動しないのかなと。着るものもそうじゃない。まわりを見て自分の服を決めるよね。私なんか自分が着たいから着るんだ。そこが日本人の永遠にダメな点だろうな。自分を持ってない。世間で自分の思想を決める、世間体を気にする、まわりを気にする、いわゆる自立してない。大人としてまだ成熟してない。それは常に感じる。で、それを変えようとしてる。それが政治家の仕事かっていうとそれはまた別だろうけど。

マックさんはそう言ったけれど、政治の悪さが経済や社会を悪くして、結果として人々から笑顔を奪ってるという現実もある。例えばベルリンはドイツの中でも貧しい街だ。連れ子を抱えて学生結婚をした我が家をはじめ、今までにも経済的に豊かとは言えない人々をたくさん見てきた。でもほとんどの場合、人々から暗さは感じられない。福祉は充実しているし、みんな自分を持っている。お金がなくても笑っていられる社会がそこにある。ベルリン前市長は言った。「ベルリンは貧乏だけどセクシーだ」ベルリンに来てから、日本ではみんながどれだけたくさん働いて、様々な重圧に耐えているのかを感じるようになった。人々が笑えるようになる社会ってのはやっぱり政治でだって変えられると思う。マックさんには今後とも恒久平和とみんながスマイルできる社会づくりをぜひとも目指してほしい。

渋谷の駅前で踊るマックさんの元へ、笑顔の若者たちが何度となく一緒に写真を撮らせてくださいと歩み寄った。 「10度 20度 30度!スマイル!」

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マック赤坂:(マックあかさか、1948年9月18日 ‐) 日本の政治活動家、実業家、セラピスト。財団法人スマイルセラピー協会会長、スマイル党総裁。2007年の第21回参議院議員通常選挙への出馬を皮切りに、じわじわと得票数を伸ばしている。東京、大阪、新潟都知事選、また大阪市長選にも出馬経験あり。著書に「笑えばハッピー スマイルセラピー 口角10度アップであなたの人生こんなに変わる」、「何度踏みつけられても 「最後に笑う人」になる 88の絶対法則」がある。
スマイル党 公式HP http://smileparty.info/

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Protestival 2016

小熊英二さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

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12月23日渋谷アップリンクにて

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第三回目は慶応大学の教授で社会学者の小熊英二さんにお話を伺いました。

「核エネルギーと民主主義は基本的には相容れないものだと思います」

小熊 核エネルギーと云うのは性質上情報公開もなじみにくい、秘密にせざるを得ない部分が大きいです。専門家が扱わなくてはいけないので専門家の裁量が大きくなりやすい。

小熊さんが原発に対する反対運動に携わるようになったのは80年代半ばと云う。それまでには反核兵器の音楽イベントをやるグループに関わっていたので、チェルノブイリの事故後は反原発も掲げるように。

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小熊英二さんと香港の社会学者・張彧暋(写真右手)さん、香港の「雨傘運動」で学生グループのスポークスマンとなった周庭(写真中央)さん

私が小熊さんに面会したこの日は、2015年9月19日から日本各地で公開されている、社会学者である小熊さんがはじめて監督されたドキュメンタリー映画「首相官邸の前で」の渋谷アップリンクでの上映日で、映画の後にはゲストに香港の社会学者・張彧暋(チョウ・イクマン)さんと、香港の「雨傘運動」で学生グループのスポークスマンとなった周庭(アグネス・チョウ)さんを迎え、小熊英二さんとのトークショーが。座席はほぼ埋まり、シリアスな問題ながらユーモアたっぷりの3人の軽快なトークに会場からは笑いの声も。日本の市民運動の情勢は、香港の学生たちにも知られ、また自分たちの運動との違いについてもよく考えられていることがわかった。映画「首相官邸の前で」は、一般市民から元首相を含む、様々な背景を持つ8人のインタビューと、真実をありのままに映す現場のライブ感あふれる映像によって作られている。311を受け、従来の活動家のみならず私たち一般市民が首相官邸前で行われる反原発集会に足を向けるようになった過程や、引きこもって自死を考えるまでにもなったある福島県民がいつか涙をこらえマイクを持ち現状を訴える姿も。

―311以降は一般市民による反原発運動が広がりを見せているが

小熊 それは当たり前と云えば当たり前であって、映画でも描きましたけれども、福島第一原子力発電所の事故があって、東日本の人はみな本当に怖かった。当時の東京の町は、節電で繁華街が真っ暗になり、食料品の買い占めで店頭から物が消えた。いまから考えれば相当な異常事態で、当時は緊張状態でした。いまでも、東京の人に「3月11日当時は何をしていましたか」と聞けば、タクシーの運転手だろうと政府の役人だろうと、みな答えますよ。恐怖の記憶は、深く刻印されているでしょう。ただし西日本では必ずしもそういう経験はしていませんし、一時ほどの生々しさはない。とはいえ、反原発意識の定着と、広範な社会層の運動参加があることは事実です。

―民主主義に基づいて、これからしていきたいことはなんでしょう

小熊 私についていえば、私は学者です。だから、まずいちばんは、人々が考えていたり、願っていたりはするけれども、なかなか言葉や形にならないものを、言葉にするような回路を作っていく事です。その為に情報や知識を集めたり、物の言い方を基礎づける社会科学の理論や哲学を勉強し、それ使って上手く表現する手段を考えている。それらを自分だけでなく、人が使えるような形にもしたい。映像を編集したのも、基本的にその一環です。歴史的な記録であり、どういう人たちが参加していたかの社会調査であり、あの運動が何であったかのナラティヴの提示です。

―この運動の未来に希望はありますか

「原子力の問題については、私は全然悲観していません」

小熊 原子力の問題については、私は全然悲観していません。石炭産業と同様で、もうピークを過ぎた産業であることは明らかです。人権意識と情報公開と民主主義が定着している社会では、原発は安全対策などのコストがかさんで、経済的にも成り立たない。今は先進国では作れないので、発展途上国の方に輸出しようとしているのはむしろ問題ですが、先進国では日本を含めて下り坂なのは明らかだと思います。こういう状況で、原子力産業が生き残るために政治的な保護を求めたり、全体的な経済の流れに逆らってお金の力を使ったりしているのは、私には苦しいがゆえとしか見えません。純粋に原子力に関してだけ云えば、もう勝負のついた問題だと思っています。他の問題もからんでくると、そう簡単ではありませんが。

―ベルリンのプロティスティバルでも、なんと3月18日に小熊英二さんをお招きしての上映講演会が決定「首相官邸の前で」たくさんの方に観ていただきたいですね!

小熊 観ると気分が良くなる映画だと思いますよ。人々が、不当な事や恐ろしいことが起こった時に、当然の反応として声をあげて立ち上がってくる過程を描いたものですから。人間が当然の反応として声をあげたり、怒ったり、悲しんだりする姿を見るのは、とても健康的な事だと思っていますし、見た人もポジティブな気分になれると思います。それをいろいろな国の人に見てもらう事で、日本の住民も、言葉が通じなくてもやっぱり人間なんだということが、分かってもらえればいいと思う。

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小熊英二:(おぐま えいじ、1962年9月6日 – )は、日本の社会学者、慶應義塾大学教授。専攻は歴史社会学・相関社会科学。著書・共著多数。「<民主>と<愛国>――戦後日本ナショナリズムと公共性」「生きて帰ってきた男」など受賞歴多数。趣味のギターではライブ活動やアルバムリリースも。詳細はQuikion公式HPにてhttp://homepage2.nifty.com/fhifan/index.html

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―私は、この出来事を記録したいと思った。自分は歴史家であり、社会学者だ。いま自分がやるべきことは何かといえば、これを記録し、後世に残すことだと思った。(中略)この映画の主役は、映っている人びとすべてだ。その人びとは、性別も世代も、地位も国籍も、出身地も志向もばらばらだ。そうした人びとが、一つの場につどう姿は、稀有のことであると同時に、力強く、美しいと思った。
そうした奇跡のような瞬間は、一つの国や社会に、めったに訪れるものではない。私は歴史家だから、そのことを知っている。私がやったこと、やろうとしたことは、そのような瞬間を記録したという、ただそれだけ―(公式サイトの“監督の言葉“より一部抜粋)

映画「首相官邸の前で」公式サイト http://www.uplink.co.jp/kanteimae/

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Protestival 2016

木内みどりさんに聞く「核エネルギーと民主主義」

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12月23日都内のカフェにて

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第二回目は女優の木内みどりさんにお話を伺いました。

木内 政府のやり方は本当に汚いと思うんですよね。原発再稼働するのも核を持っていたいわけじゃないですか。プルトニウム一杯ためこんで、ロケット技術もそれの一貫ですよね。日本は核を持っていないと言っているけどいつでも核にできる材料も技術も準備万端。やり方が汚いですよね。どうしてみんな怒らないんだろうって不思議なんです。でも、少なくともわたしは自分の目で見て、自分が考えて、人の考えと違ってもぜんぜん怖くない。千人が千人、一万人が一万人左に行ってもわたしは嫌だったら右に歩いて行きたい。一回きりの人生の手綱を誰かにゆだねたり、取られたり、牛耳られたりするのはまっぴらなんです。

―311以降、木内さんは“開眼された”という事ですけど、それまでにこうした運動に関わりを持っていましたか

木内 何にもなかったです。デモなんかに行き交うと迷惑だなー嫌だなーうるさいなーちっとも素敵じゃない、逆効果じゃないかって思ってました。政治は汚い嫌なものだって思い込んでました。でも311以降そんなこと言っていたら自分の命に係わるって思ったんです。よくよく見てみたら、この国はでたらめで嘘ばっかりだぞ、新聞は嘘を書くし、NHKも嘘を言うし、多くの大人は全く本当のことを見てないっていうことに気が付いた。やっぱりこの国の一員なんだ、その一員としての権利も欲しいし、義務もちゃんと果たしたいと思いました。日本国民のひとりなんだと初めて自覚しました(笑)

従来のデモや運動のやり方に、ちょっぴり疑問を抱いた木内さん

木内 偶然そこにいるだけの人々に、私たちは正しいんだ、アンケートを書きなさい、署名をしなさいみたいな上から目線では人の心は動かない。今までの古いやり方に嫌悪がありました。だから違うやり方違うやり方って考えて探して試して。団体行動が苦手なのでどこにも属したくない。いつもいつもひとり行動です。誰にも強制されたくないし、したくない。選挙の応援でも自分で交通費や宿泊費用を払ってきたから、誰に何を言われても自分でいられます。

―脱原発を願って、候補者の応援演説に駆け付けた木内さんを待っていたのは、続く演説日に応援のない現実。木内さんはご自身の信念のために、なんと311以前はうるさいなあと思っていたその選挙カーにも乗る事に。そして選挙の敗北を受けての憂鬱。そんな思いを重ねて、この5年間、木内さんがブレずにいたのはどうしてでしょう。

木内 ほとんど絶望の連続だったのだけれど、でも、ふと気が付いたのです。素晴らしい方たちと知り合いになれてるって。友だちになれたんです。年も知名度もバックグラウンドも関係ない「友だち」に。人生は本当に短いし、出会える人も限られているのに、素晴らしい方たちと出会えた。これからもいいと思ったことはいいと思って動きたいし、誰にも評価されない、誰の目にも止まらなくてもいい。だってものすごく面白いもの。お金なんて役に立たないことが多い、有名の名前って効果には表も裏もある。もうね、大きな会社のものとか巨額のお金をかけて宣伝してるものとか、生理的に嫌いになっちゃった(笑)

―お金を使って宣伝しなきゃいけないようなものにはろくなものがないと思うようになった、そういうことからも、わたしはわたしの好きな生き方しかもうしない!ということにより研ぎ澄まされてきたこともありがたいと思うと言う木内さんが5年目を迎えて、これからしていきたいことは

木内 今つかんでいるものはもう絶対に離さないでいたい。ラジオも引き受けたいし、作文が好きだからコラムも書いていきたい。

―木内さんがブログに書いた11歳の少年との邂逅が素晴らしかった

木内 本人が特定されないように一生懸命書きました。わたしと過ごした二泊三日、ふざけてばかりでしたが、帰宅した後、彼は自分からデモ情報を調べ、デモに出かけたそうです。「アベ政治は許さない」ってあのスローガンを両手で突き出してる写真を見たときは涙出ちゃって311以降、変化に変化した少年の暮らし、彼なりに見聞きしてきたことへの怒りみたいなものがはじめてそこで抵抗という形になったんだと思います。誰かとわたしが出会ったことで何かが始まる、その人も変わるしわたしも変わる。そんなことが生きがいになってきました。

木内さんは誰だって、みんな好きに生きればいいと言う

木内 時々なんでそんなに一生懸命なの?って聞かれるんです。で、考えたら、わたしの自分の得じゃないから一生懸命できるんじゃないかと、自分のことだったら自分に自信がないからそんなに人にお勧めできない。自分のことならここまで一生懸命になれないと思う。だけどこうあって欲しいと思うことのためには一生懸命になれる。本当に腹が立ったり、悲しかったり、こんなものが通っていいんですかっていう怒りがある限りは一生懸命やれると思う。だからかデモに連れて行って言う人が現れたり、行動を起こし始める人が増えていく。経産省前で学生がハンストしていることを知った時、労いの言葉をかけたいとかけつけると、ベビーカーを伴うお母さんから「テレビに出ている方ですよね、どうしてここにいるんですか」と言われて、ありがとうぐらい伝えたかったというと、わたしも不安でしょうがないから来たと言う。そんな小さな出来事がきっかけで彼女の中で何かが変わった。その後、できる範囲でデモや集会に行ったりしていますと連絡がありました。あの時の数分間、お互いがお互いを励まし合った、たったそれだけのことなんだけれど、こういう小さいことって実は大きいんだと思うんです。確実につながっているって実感できる。

―いかに生きていくかも大事だけど、いかに死んでいくかもけっこう難しい時代にいると言う木内さん。15年後どうやって死んでいくかがいちばん大きなテーマだと言う

木内 広河隆一さんの「人間の戦場」という映画を見て、本当に素晴らしいと思った。広河さんが絶望しないでやってるんだからわたしが絶望してどうする!って。

広河さんの映画の話が出たので、3月にベルリンで行われるプロティスティバルでも広河隆一さんと樋口健二さんの写真展を企画していること、メンバーが展示にかかる経費の事で奔走中(12月当時)だが、必ずやりますと言うと、木内さんが突然「1万円寄付する!」と明るく寄付を申し出てくださった。その場で笑顔でお財布から1万円を出す木内さん。「写真はとにかく力がある、やっていただきたい!広河さんは本当に素晴らしい!」と真っ直ぐな瞳で木内さん。わ、すごいものをもらってしまった!

木内 広河さんが映画の中でおっしゃっているけど、DAYS JAPANの編集長を降りられた。理由は健康問題で、発作があったら3時間半以内に病院に行けるところにいないといけないと言われた。編集長は机と椅子があればどこにいてもできるけど、ジャーナリストはそうはいかない、両方は無理、彼はジャーナリストを続けたいと思った。そこで誰かやってくれと手を挙げてもらって、手を挙げた人をみんなで選挙で選んだ。それで入社1年目の女性に決まったんです。画期的でしょう。

―ここまで一気に聞いて、思わず、ちょー民主主義!と合いの手、うなってしまった

広河氏はもう新しいテーマで撮影に入っているそう。日本では時の権力に逆らってきた無名の方がたくさんいる。そういう人を訪ね歩いて掘り起こしたいと撮影旅行に出ている。自分に残された時間でやりたいことをやってる。わたしもこの道に行こう!と思ったと活発な木内さん。

私は木内さんのブログが始まって以来一読者でもあるのだが、新聞などでも必ず一般のコメントを読む癖があり、SNSなどでみどりさんに寄せられる読者のコメントもよく読む。木内さんの何気ない一言が人の心に響くのだ。木内さんはとにかく正直で裏表のない人、やりたくないことはしない、ありのままを思うままに書いている。書かれたことはぜんぶ本気だ。それがおのずとみんなの深いところに伝わるのだと思う。

©Tsukasa Yajima
©Tsukasa Yajima

昨年のベルリンのかざぐるまデモで先頭を歩いた木内さんにいただいた経産省前テントとおそろいの”福島を忘れない!”の旗で、脱原発の輪がまたひとつつながった。

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木内みどり(きうち みどり、1950年9月25日‐):日本の女優。’65年劇団四季に入団。初主演ドラマ「日本の幸福」(’67/NTV)から多数出演。映画は、三島由紀夫原作『潮騒』(’71/森谷司郎)、『死の棘』(’90/小栗康平)、『大病人』 (’93/伊丹十三)、『陽だまりの彼女』(’14/三木孝浩)、『0.5ミリ』(’14/安藤桃子)など。3・11以降、脱原発集会の司会などを引き受け積極的に活動。マガジン9で「木内みどりの発熱中」を不定期連載中。

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補足:
広河隆一:(1943年9月5日 -) 日本のフォトジャーナリスト。戦場カメラマン。2004年、廃刊になった報道写真誌「DAYS JAPAN」を再刊以来、最近まで編集長を務めた。
12月19日より全国順次公開上映中、長谷川三郎氏が監督し、広河隆一氏を追ったドキュメンタリー映画「人間の戦場」公式サイトhttp://www.ningen-no-senjyo.com/

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Protestival 2016

鎌田慧さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを今日から連載していきます。第一回目は鎌田慧さんです。

12月22日都内のカフェにて
12月22日都内のカフェにて
「原発は民主主義の対極にある」とずっと言ってこられた鎌田さん。311よりずっと前から日本の核エネルギーと民主主義のたたかいを見てきました

鎌田 原発というものはもちろん原爆からできてきたんですけど、きわめて大きな破壊力のある兵器を平和利用にするんだという形で日本人を洗脳したんですよね。日本人は2回もの体験があって原爆の脅威をすごくよく知っているわけですから、人類にとって最も悲惨なエネルギーを平和利用するためには、そういう教育をものすごくやられたわけです。アメリカからヒロシマとかいろんな地域で核を平和利用するんだっていうメッセージですね。アイゼンハワーが1953年の国連総会で提唱した“Atoms for peace”*¹って平和のための原子力、核の平和利用、それを読売新聞などが博覧会なんかをしてずうっとすり込んできたわけです。もともときわめて悪魔的なものを平和のためにと言い換えて、残っているウランなどを日本に売ろうと言うのが当時のアメリカの作戦。そうして日本で原発が作られるようになった。しかし平和利用といっても日本ではやっぱりなかなか信用が得られなかった。各地では反対運動が起きた。原発は原爆と同じで怖い。いくら新たに洗脳しても感覚的に怖かった。それを払拭しきれないうちに作っていく中でまずお金を配った。60年代から作りはじめ、一挙に作られたのはオイルショックの後、田中角栄の電源三法*²を契機にお金を配る、補助金を出すっていう政策。言いたいのはずうっと反対運動があったってことです。反対運動が負けたところは作られて、勝ったところは作られなかった。日本の場合は9電力、電力会社が九つしかないから、そこに上がってくる電力料金は膨大な量なんです。完全独占です。それを資金にまた地域に配るとか、お金なんですよ。政府のお金と電力会社のお金が配られて原発が作られてきた。存在自体がきわめて非民主主義的な存在ですよね。いつ爆発するかわからない点でも人類、命にとっても非民主主義的だし、建設過程でも非民主主義的なんです。例えば漁業協同組合の組合員の三分の二が賛成すれば原発の周りの漁業権を放棄するんです。そのためにも幹部のお金の買収などがある。その議会の賛成派っていうのはほとんど工事をやる人たちなんです。そういう地域の民主主義とか、議会の民主主義とか、協同組合の民主主義とかそういうのをぜんぶ潰してきたんです。どれだけ被害があっても、地域では原発再稼働してくれって言う声が上がってきているし、地方自治体も県もぜんぶ、民主主義が機能していないんです。住民が反対しても地域では稼働できるようにもなっているんです。地域にお金が流れるっていうことなんです。というわけでお金が配られるところでは民主主義が破壊された。それから秘密でよくわからない、事故が発生してもよくわからない、運転過程の非民主主義。

「存在自体がきわめて非民主主義的な存在」

―事故から5年目、鎌田さんはこれからどんなことを考えていますか

鎌田 これからの問題としては被ばく労働者が膨大に発生していますから、この方たちの病気などがどれだけ明らかにされていくか。日本では原発は40年稼働しているけれど、被ばく労働者として認定されたのは11人*³しかいないんですよ。これはJCO*⁴の3人は外してるんです。でも白血病や癌で亡くなっている労働者はいっぱいいる。これからも現れるのはわかっているが認定されるかどうかはわからない。それから甲状腺がんの子どもたちは、150人も現れているけど、行政が否定したりしているわけです。これからいろんな形で裁判なんか始まってくるんですよね。僕らは反原発運動、原発の再稼働の反対運動やって来て、被災者の住民の方を見る時間がなかなかなかった。こないだ被災者の方々に来てもらって集会を開いて、これからどうしていくか。医療、生活保障、賠償金だとか、これから経済的な圧迫が増すことがわかっている。労働者の方も裁判にまでもって行くっていうのは大変な事です。原発社会には、民主主義などなかった。だから、これからは地域の民主化運動が必要になります。そういう運動をこれから力入れてやっていこうと考えています。裁判*⁵もいろいろな裁判が始まっています。これからはもんじゅの裁判もあるわけです。そういういろんな運動体をつなげて一緒にやっていこうと努力してきました。僕らはさよなら原発の大きい集会を今までにやってきて、福島の方々にも集会に来てもらっているし、フクシマを忘れないってスローガンにしているんだけど、それをもっと具体的にきめ細かくやって行こうって。

―311以降の反原発運動の広がりをどう見ていますか

鎌田 今までも原発反対運動って言うのはずうっとあったのです。しかし地域の住民の反対運動がどんどん崩されてきました。地域の労働組合が建設反対の集会などに組合員を集めたけれど、そんなに広がらなかった。。例えば東京で集会を開いても最高で1万ちょっとぐらいの規模。そこに3.11があって、運動が急速に拡大した。とにかく、大江健三郎さん、坂本龍一さんなどいろいろな方に呼びかけ人に加わってもらって、さよなら原発運動を始めました。最初の集会は6万人ぐらい、翌年16万人が集まった。今までは脱原発にする、前の方ばかり見て進んでいたから、被災者の生活とか子どもの被ばく、労働者の問題とかに手が回らなかった。それがこれからの課題だと考えてます。

―私たちにこれからどんな未来が見えますか

鎌田 歴代の首相経験者のうち、村山、小泉、細川、鳩山、菅、野田首相など、賛成派から原発反対派になった。自然エネルギーも今まで馬鹿にされて来たけれど、これからどんどん増えていくでしょう。そういう風に転換していくわけです。目標が決まれば早まるんです。いろんな運動とかいろんな努力を積み重ねて、世論的には7割から8割ぐらいが原発いらない。あとは政府が決定すれば良いだけ。自然エネルギーも始まったばかりでまだまだ弱いが、社会がそうなっていけば企業も付いてきます。ドイツが脱原発に進んでいるし、ドイツだけが突出して進んでいるわけではないし、世界的に自然エネルギーに向かう状況が整ってきているわけです。僕らの運動も脱原発と自然エネルギーを広めるって言うのと、両方やってる。いろんな試みも宣伝していく必要がある。脱原発と、自然エネルギーと、今までみなさんに起こったことをどう解決していくか、それぞれのネットワークと協力してやっていきたい。

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鎌田慧 :(かまた さとし、1938年6月12日 – ) 日本のルポライター、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。「隠された公害 ドキュメント イタイイタイ病を追って」「自動車絶望工場」「原発列島を行く」など、政治、労働、いじめ、原発にまつわる著書多数。「六ヶ所村の記録」で毎日出版文化賞受賞。東京新聞に「本音のコラム」を連載中。
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補足:
*¹平和のための原子力 /Atoms for peace
ドワイト・D・アイゼンハワー元米大統領が1953年にNYの国連本部で開催された国連総会で行った演説。
在日米国大使館HP http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-peace.html

*²電源三法
電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法の三法のこと。主な目的は、電源開発が行われる地域に対して補助金を交付し、発電所を含む電源の開発の建設を促進、または運転を円滑にしようとするもの。電源三法による地方自治体への交付金を電源三法交付金と呼ぶ。

*³被ばく労働者11人
1991年から白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫で2011年7月までの間に11人が原発被ばく労働者の労災認定されています。1999年のJOC臨界事故では高線量被曝した3人が労災認定されています。
ヒバク反対キャンペーン HPより http://www.jttk.zaq.ne.jp/hibaku-hantai/hibakuroudou.htm

*⁴JCO
1999年9月30日茨城県那珂郡東海村にある株式会社ジェー・シー・オー(住友金属鉱山の子会社)の核燃料加工施設で発生した臨界事故で、至近距離で中性子線を浴びた作業員3名中、2名が死亡、1名の重症者、ほか667名の被曝者を出す。日本国内で初めて事故の被曝による死亡者を出した。一般に東海村JCO臨界事故 。

*⁵現在係争中の原発と人権にまつわる一部の裁判はこちらでご確認ください
・原発と人権ネットワーク
被害者訴訟、脱原発訴訟 http://genpatsu-jinken.net/index.html
・脱原発弁護団全国連絡会HP
全国脱原発訴訟一覧 http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/list/
・東電株主代表訴訟 http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/

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