3月7日、東京電力福島第1原発事故から4年が経つのを前にベルリンで反原発デモを行いました。
ドイツ人、日本人、韓国人、イスラエル人などベルリンに住む市民ら約700人が参加しました。
Anti-Atom-Berlin(アンチアトムベルリン)、NaturFreunde Berlin e.V(ナトゥアフロインデ)、ドイツの反原発、自然保護団体2団体との共催で行いました。
今回は「福島を忘れないで!」をテーマに、原発事故を風化させないこと、日本の原発再稼動・原発の海外輸出に反対するとともに、世界のすべての原発の早期廃炉と再生可能エネルギーへの転換を求めました。
核のない未来へとの希望をかざぐるまに象徴し、昨年に続き今年も「かざぐるまデモ」と名付けたデモ。前日まで雨が降っていましたが、見事に晴れ、かざぐるまが風を受け勢いよく回っていました。
Puppe’n Muckeのライブ演奏がはじまりの合図となり、ブランデンブルク門前に集まった人々の注目を浴びました。その後、ブランデンブルク門前を舞台にSayonara Nukes Berlinから梶川ゆうさんが開会のあいさつをし、「福島の原発事故はいつでもどこでも起こりえます。放射能まみれの地球を次世代に残してはいけません」と訴えました。
(あいさつ全文)
参加者は東日本大震災での犠牲者と世界中で放射能の被害に遭った人々に黙とうをしました。
福島県の民謡「会津磐梯山」に合わせてかんしょ踊りのレクチャーをした後、BodyPoetとTakushi&Friendsによるかんしょ踊りのダンスパフォーマンスが行われ、「Jetzt los!」(さぁ出発)の掛け声でデモが出発しました。
かんしょ踊りとは福島県会津地方に伝わる踊りで、他の反原発アクションシーンでも踊られています。
アンチアトムの横断幕「FUKUSHIMA HIROSHIMA NAGASAKI ATOMTOD STOPP 福島 広島 長崎 被曝死ストップ」(ママ)、女優の木内みどりさんから届いた横断幕「DON’T FORGET FUKUSHIMA」を先頭にデモは進んでいきました。
参加者は「会津磐梯山」のリミックス曲に合わせ、踊ったり、リズムにノったりしながらベルリンの中心街をデモ行進しました。
リミックス曲は公募し、ドイツ、フランス、イギリス、メキシコ、日本から15人のミュージシャン、DJからの応募がありました。そのうちの数曲をDJ SiSeNが演奏しました。
ひょっとこ、おかめ、きつねのお面を被ったり、和装をしたり、法被を着たりして踊る様子は観光客や道行く人々の目を引いていました。
最終地点Potsdamer Platz(ポツダマープラッツ)に到着後、日本で「のりこえねっと」(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)の共同代表をしている辛淑玉(シンスゴ)さんのあいさつがありました。
(全文)
Anti-Atom BerlinのBernd Lisekさんが閉会のあいさつをしました。
(全文)
最後はPuppe’n Muckeのライブ演奏で締めくくりました。
デモに参加した保育士のカタリーナ・ヴァルケンティンさん(26)は「原発事故は健康被害や環境破壊をもたらします。原発ではなく再生可能エネルギーに転換すべき。子どもの未来のためにも原発はなくすべきです」と話していました。
わたし自身、2回目の参加となる「かざぐるまデモ」。集会が始まる前にワークショップで作ったかざぐるまを参加者や観光客に渡していると、ブランデンブルク門を見に来た日本人観光客が参加しますとかざぐるまを受け取ってくれたり、かざぐるまを受け取ったスペイン語圏の観光客が「一体何をしているの?」と聞いてきて、説明するとわたしたちの主旨に賛同してくれたりと昨年より事前にデモを知らなかった人たちが関心を寄せてくれたようにじました。ライブがあったり、音楽が流れていたという雰囲気が飛び入りのデモへの参加をしやすくしたのではないかと思います。残念ながら東京電力福島第1原発事故を知らない外国の方もおり、時間の経過とともに特に海外では関心が薄れていきがちになってしまうことですが、世界の問題として、日本のみなさんとも連帯し、続けていくことが大切だと改めて感じました。