3月11日に思う。

今日は3月11日。

東日本大震災の被害にあわれた方々のことを思います。

私は震災直後、かつて働いていたNGOに3か月間の助っ人として緊急援助チームに加わるため日本に帰りました。ベルリンから日本に向かう飛行機の中で「私のふるさとの国はどうなってしまうのか」と日本の新聞を涙を流しながら読んだこと、現地に向かい津波がすべてをさらった場所に初めて立った時の衝撃は今でも忘れられません。

緑の山を抜けるといきなり広がった光景(南三陸・筆者撮影)
緑の山を抜けるといきなり広がった光景(南三陸・筆者撮影)

福島第一原発事故が発生し、米国に本部のあるそのNGOは、活動は原発から80㎞以上離れていなければならない、という指示が出ました。当時原発や放射能についての知識がそれほどなかった私は、歯がゆい思いをしたものです。

あれから5年。2013年に友人と一緒にSayonara Nukes Berlinを結成してベルリンで反原発のデモを初めて行い、仲間が増えて様々な活動を通して勉強するにつれ、原発がいかに倫理に反しているか、原発に頼らない未来をめざさなければならないことを深く思うようになりました。

みなさんは福島原発の建屋が爆発したおぞましい映像をおぼえていますか?

事故により気の遠くなるようなベクレル値の各放射性物質が放出し、汚染水は海に流れ続け、行き場のない放射性廃棄物が東日本の国土に横たわり、ふるさとが放射能のために住めなくなった8万人以上が今も避難生活を続けています。チェルノブイリでは、何年もたってから低線量内部被ばくによる健康被害が出ています。ドイツでもまだ8基の原発が稼働し、ベルギーでは老朽化した原発のトラブルが相次いでいます。フクシマの次は再びヨーロッパの可能性があると言われています。

日本では、事故を起こした東電は責任を追及されず、政府は福島の事故から教訓を学ばず原発再稼働を目論み原子炉4基を再稼働。(高浜原発3、4号機は大津地裁により3月9日運転禁止仮処分決定)2017年には避難指示を解除して汚染地に被災住民を帰還させ、被災者への救済を打ち切りの方向に進める代わりに、1兆8千億円も東京オリンピックに投じようとしています。そして、利益を求めて日本政府はインドやトルコ、ベトナムに原発を売り込み、ヨーロッパでの原発建設に日本企業がビジネスを続けています。

このような流れの中で、原発事故によって避難を強いられた人の声はかき消されようとしているのではないかと思い、その声を直接聞いてみなさんに伝えたく、以前知り合ったIさんにお話を聞きました。

『私は80㎞離れたところに避難しています。今直面している問題は、現在仮住まいしているところを出なければならないことです。政治的に帰還させられ、これから被曝と経済的な問題に直面していくことが不安です。しきりに周りは帰還のことを論じることにちょっと腹が立ちます。それは、あまりに放射能を甘く見ていると思うからです。宅地等を除染して、線量がさがったから避難を解除するとしていますが、山積みされた汚染土が見える暮らしがとても正常とは思えません。オリンピックが誘致されることが決まって大喜びしている姿に違和感を感じました。震災で立ち直られずに心痛めている人々の心を無視しているような出来事でした。原発事故がなかったかのようなその報道に、いかりました。今、オリンピックについては、無関心、その一言につきます。ニュースもみたくありません。国内の報道は、操作されてるので信じません。 』

目に見えないものを私たちは忘れてしまいがちです。しかし、目に見えない放射能は地球の環境を、命を脅かし続けています。私たちの世代は放射性廃棄物という解決できない大きな負の遺産を、次の世代に残すことはこれ以上倫理的に許されてはいけないはずです。核エネルギーと人類が共存できないことは、チェルノブイリ、福島事故で明らかです。ドイツの脱原発決定だけでは、まだなにも解決していません。世界から最後の原子炉がなくなり、ウラン採掘が放棄されるまで、危険は隣りあわせなのです。

もしあなたが「核エネルギーはいらない」と考えているなら、それを声に出しましょう。政治決定をつくるのは市民ひとりひとりです。一つの声は小さくとも、それが一緒になったとき変化を起こすことができるはずです。

3月19日(土)、「世界から原発をなくそう!」のテーマのもと希望のかざぐるまを持ってベルリンの街でデモを行います。もしあなたがベルリンにいらしたら、ぜひ参加して一緒にその声をあげてください。

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原発についてもっと学ぶ ->

原発がいけない100の理由

http://100-gute-gruende.de/index.xhtml

 

 

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