かざぐるまをめぐる冒険。その②

来る2014年3月8日、日本の福島から首都圏に向けて開催されるさようなら原発集会に合わせ、ベルリンでも同日8日〝原子力に頼らない安全な未来を目指して、希望の風車を回そう!″との呼びかけで、風車をテーマに反原発デモが行われます。ベルリンで活躍する3つの反原発、環境保護団体らの共同開催が決まりました。デモの詳細は近日発表します。

さっそく新たなアイデアをいただいたので、八重の風車に挑戦!

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・用意するものは、同じサイズの四角形の紙2枚
・持ち手になる棒
・幅1㎜、13㎝程度の長さに切った針金
・羽根と風車の羽根の接続部分2~3点

接続部分には様々なアイデアがありますが、前回同様、環境への配慮からプラスティックを極力避ける方向で、ストローは除外。ご自宅にある半端なボタンやビーズ、ストローに形状を似せ2㎝辺の紙を丸めた筒でも試してみました。

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用紙のサイズは参考まで。黒い線の通りにハサミで切込みを入れる。点はあとで針金を通す穴になるので印をつけておく。

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左手の紙を下に、切込みに合わせて重ね合わせる。
今回も持ち手はリサイクルの割り箸を使用。割り箸に針金をかける。

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ペンチで針金をしっかりと巻き付ける。この作業、小さなお子様にはちょっと難しい。

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重ねた紙を裏返し、中心点から針金を差し込む。この時に接続部を一点使用。

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表に出た針金にも、接続部。

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羽根の先端部につけた印にならって、順に針金を通していく。

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最後に、ボタンやビーズ等を通し、針金が抜けないよう先端を丸くねじって止める。

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完成!

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今回は複雑な工程をお見せする関係で、みなさんにわかりやすいよう色紙を使用しましたが、リサイクルの広告、新聞紙など、身近にあるものでぜひ試してみてください。R

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風車をめぐる冒険。その① http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=507

2014年3月8日かざぐるまデモ@ベルリン

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3月8日、私たちSayonara Nukes Berlinは、Anti-Atom BerlinArbeitsgemeinschaft Schacht KONRAD e.V.NaturFreunde Berlin e.V. の3つの団体と協同し、日本の福島から始まるさようなら原発集会に連帯するため、ベルリンでも反原発デモを行います。

私たちは、原子力のもたらす命への不安に怯える事無く生きる権利を持っています。自然エネルギーへの早期転換を願うと共に、世界各地のデモ行動の同一化を目指し、ベルリンでのデモのテーマは風車に決まりました。福島第一原子力発電所の大惨事から、3年が経とうとしています。日本政府は、正しい道を歩んでいると云えるのでしょうか。また世界各地では、未来を見据えたエネルギーへの適切な進路は取られているのでしょうか。

私たち市民の声を届けるために、みなさんの希望の風車を回しましょう。

日時:3月8日 13時~

場所:ブランデンブルグ門(Platz des 18.März am Brandenbruger Tor)

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⋆ブランデンブルグ門に集合後、日本大使館前までデモ行進します。

⋆ブランデンブルグ門では、Bodypoet(Kazuma Glen Motomura)による風刺劇や、Greenpeaceソーラードラムス等のパフォーマンスが予定されています。

⋆手作りの風車を持ってご参加ください。鳴り物、プラカートも大歓迎。

また、8日のデモに合わせ、私たちは日本政府に、国際社会において日本が安全で持続可能な未来を築けるよう、原子力事業からの撤廃、汚染地域からの移住の支援など、深刻化する重要課題への対応を求める公開書簡を提出します。この書簡には、ドイツに在住する学者、文化人をはじめとする公人や、環境保護団体らの賛同を募っています。この書簡は、提出後に公開されます。

Facebookイベントページhttps://www.facebook.com/events/288800657933740/

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■ポスター、フライヤーのイラスト提供:Chuuu

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FlyerA5_Kazaguruma_4Web

■ウェブデザイン:Minori Higuchi
ウェブが見易くなりました!

ありがとうございました。

Sayonara Nukes Berlin

かざぐるまをめぐる冒険。その①

来る2014年3月8日、日本の福島出発のさようなら原発デモに合わせ、ベルリンでも反原発デモを行うことに。

テーマは風車。
風車が選ばれた理由は深い。よって、デモの詳細も含め、おいおい説明したいと思う。

12月のオープン会議で、芸術家の磯益子(Masko Iso)さんがさっそくリサイクルの牛乳パックで試作品を作って来てくれた。会議に参加したANTI-ATOM-BERLINの会長のハイラからは「プラスチックは使わないでほしい」私たちの活動は環境保護のあらゆる問題とも常に隣り合わせにある。インターネットなどでは、ストローと爪楊枝を使った簡単な作り方などが見られ、これらはどの家庭でも身近なアイテムでもあるが、ストローはプラスチック素材だ。

各家庭で容易に揃うアイテムで、リサイクル、自然のもので作る風車。

と云うことで、ベルリンで長く活躍されているモデラーの吉本禅(Zen Yoshimoto) さんの元へ相談に。
禅さんは2001年からベルリンで生活されている原型師。日本ではガンダムのプラモデルなどを製作しておられたが、ベルリンのミッテにあるOnitsuka Tigerのレジに飾られた金魚の詰まった大きな透明のスニーカーをご覧になった事があるベルリン市民も多いと思う、こちらも彼の仕事のひとつ。

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禅さんと一緒に、クロイツベルグのModulorへ。

この日は不思議な事が。待ち合わせのAlexenderplatzのデパートで、今年の3月のデモで告知の手伝いをしてくれたKさんにおよそ1年ぶりの遭遇。今度のデモでは風車を使うと云うと、Modulorに行くと良いと言われた。同日2人の人物からのすゝめとあらばと店に入ると、なるほど工作や美術の道具から専門的な材料がたくさん揃っている。ここで、風車と持ち手の接続部分に使う、木製のビーズを購入。他、禅さんから素人にも扱いやすい針金のサイズや材質についてご指導いただく。

風車の持ち手の棒は、ミッテのラーメン誠にて使用済みの割り箸を100本集めていただいた。最近は誠でもエコロジーな取り組みから割り箸をあまり使用されていないとの事。スタッフのみなさん、本当にありがとう。

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長男がせっせと割り箸の洗浄。

空の牛乳パックが4つ集まったのもあり、磯さんと一緒に試作第二弾に挑戦。

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材料はこんな感じ。
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まずは牛乳パックの線を利用して14㎝角に切り、中央から2㎝ずつのところまで切り込みを入れる。

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磯さんは、机に敷いてあった新聞から絵柄を切り抜いて。私は自宅にあった、半端な折り紙を貼ってみた。防水加工のため表面がつるつるしているので接着剤が必要。文字を書くためにも工夫が要りそうだ。各自の個性豊かな風車になりそう。

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キリで穴を開ける。

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牛乳パックは紙質が固く、なかなかいう事を利かない。。

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羽根と割り箸の接続部に木製のビーズを。

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1㎜の針金でぐるぐる。

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試作第二弾はこんな感じに。磯さん、お忙しい中、ありがとうございました。

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割り箸と風車の羽根の接続部品には、身近な物でアイデアいろいろ。

ANTI-ATOM-BERLINのハイラは、磯さんの試作品の第一弾である、接続部にボタンを利用したものを持ち帰った。彼らも揃って風車の制作をする予定だ。

みなさんのアイデアもぜひともお寄せいただきたい。(R)
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<協力>
・吉本禅(Zen Yoshimoto)Facebook:http://facebook.com/zenyoshimoto
・磯益子(Masko Iso)公式HP:http://isomasko.jimdo.com/
・ラーメン誠:http://www.makoto-berlin.de/jp/about.html

福島の高校生とのウオーキングツアー

今年の夏、日本のNPOの団体の主催で福島からドイツを訪問した高校生たちといっしょにベルリンの街を歩いてドイツがどのように環境にやさしいまちづくりをしているかを歩いて学ぶウオーキングツアーをしました。時間が経ってしまいましたが、そこで学んだことをこの場で紹介します。

ドイツ連邦議事堂のドーム型の天井はガラス張りで日光を取り入れやすくなっています。屋上にはソーラーパネルが設置されており、発電された電力を電力会社に売っているとのことでした。議事堂の地下には暖かい空気と冷たい空気をためるタンクがあり、夏は冬にためた冷たい空気を館内に送り、冬はその逆の作用をします。そうすることでなるべく電力を使わない工夫をしていることがわかります。

議事堂の屋上からは火力発電所が見えました。煙突の近くに台形状の建物があります。それは電力をつくる際に出る熱を冷却するための冷却塔です。しかし、冷却する際に出る水蒸気が空に上がりやがて雨となって地上に降りてきます。そのため上空の水蒸気が増え集中豪雨や最近の異常気象の原因になるとのことでした。

国会議事堂の屋上から見える火力発電所
国会議事堂の屋上から見える火力発電所

議事堂の屋上からはベルリンの街が一望できます。ベルリンは緑が多いなと感じていましたが、上から眺めるとあらためて緑が多いことに気づかされます。至るところに公園があり、主要道路も直線で幅があり、街路樹が茂っています。なぜ道路が広いのか、暑い空気が街にたまらないよう風通しのいいまちづくりをしているからです。なぜ緑が多いのか、木を植えることで日陰を作って空気が暖まらないようにしているからです。

ベルリン中央駅でもさまざまな工夫を知ることができました。屋根はすべてガラス張りです。これも日光を取り入れやすくするためです。そうすれば日中照明が必要なくなるので省エネできます。ドイツ鉄道(Deutsche Bahn・日本のJRにあたる)ではドイツ政府のエネルギーを再生可能エネルギーに転換する政策に呼応して2050年までにはすべての電力を再生可能エネルギーにするとの目標を出しています。ドイツ鉄道が発行しているバーンカードというものがあります。これは年に一度、一定料金を払うと、ドイツ鉄道の切符を買う際に割引が効くカードです。現在、このカードを所有する乗客の分の電力が再生可能エネルギーでまかなわれています。

ベルリン中央駅のホームで説明を聞く高校生たち
ベルリン中央駅のホームで説明を聞く高校生たち

駅には分別ゴミ箱が設置されています。紙、プラスチック、ビン、その他です。コカ・コーラ社のみがリユースするリターナブルボトルを採用しています。リターナブルボトルを使用すると工場までビンを戻さなければいけないため、コカ・コーラ社は各地に工場を分散させています。
ベルリンの街を歩いていると自転車で移動する人が多いことに気づきます。自転車専用道が整備されているため主要な道路でも比較的安全に乗車することができます。観光地でもあるベルリンでは店頭で借りるレンタサイクルも多いですが、ドイツ鉄道が運営するレンタサイクルがあります。その名も「Call a Bike」。駅前に限らず、街のあちこちで乗り捨て可能です。インターネットで登録し、携帯電話で暗証番号を聞き取り、施錠・解錠ができる便利な仕組みです。ベルリンは公共交通機関も発達していますが、気軽に自転車を使えることで二酸化炭素の排出を押さえる努力も見られると感じました。

今回のツアーではドイツ政府とベルリン、企業が脱原発と環境にやさしいくにづくりをするために実践している姿を勉強できました。日本では福島の原発事故が解決していないにもかかわらず、政府が海外に原発技術を輸出しようとするなど日本と海外の人々に対して無責任な態度を取り続けています。今回学んだドイツでの取り組みから日本でも脱原発に向けてできることを学べるのではないかと感じました。

A2-B-C

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ドキュメント映画を観る機会が増えた。おそらくは真実を知るための一番の近道だ。「A2-B-C」は、聞き慣れないタイトル、海外でのフィルムフェスティバルでの受賞のニュースが目に止まり、気になっていた映画だ。ベルリン自由大学日本学科のブレッヒンガー・タルコット教授(Prof.Dr.Blechinger Talcott)が構内で上映会をすると云う招待を受けて、学部関係者に混じって映画を観せていただいた。

このドキュメント映画は甲状腺の検査結果で、A2、すなわち結節および嚢胞が見つかった子どもたちに初めてカメラを向けたものだ。

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無邪気に遊ぶ幼稚園児のあどけない姿が映る。ほとんどの子どもがガラスバッヂを身に着けていた。ガラスバッヂとは、特殊なガラス素材を使用した携帯型線量計で、各自の浴びた放射線を計測する装置である。子どもたちは禁止された遊具を取り囲み、どこが放射線の測定値が高く、危険であるかを指で指し示す。遊ばなければ安全と云うわけではないのに、どうして。また小学校の塀を挟んだ通学路の放射線は、インタビューを受ける母親の腰の位置でおよそ12.42μSv/h、足元ではインタビューの間中、35.37μSvと異常なまでの数値の上昇を見せた(※)。撮影が行われた日は、強風が吹き荒れ、校庭では体育の授業が行われていた。

「頭を切ったかのようなびっくりするぐらいの鼻血、2度倒れ、発疹、白血球のかなりの減少、そして医師から風邪の診断」

ある母親が自分の子どもの体調を語った。風邪で初めて血液検査を受けた上、一度も放射線についての質問をしていないのに、医師から「放射線とは関係ない」と言われたという。

「医大の検査結果では一人は嚢胞なしのA1、もう一人は嚢胞ありのA2」

ある家庭では子どもたちの検査結果に満足できず、近所の個人病院で再検査を行ったところ、2人とも嚢胞が見つかった。これを聞いた他の母親は、同じ病院に再検査を依頼したところ、医大の検査にてA2判定後は再検査はできないと断られたそうだ。この時には、原発事故後に福島県放射線健康リスク管理アドバイザーに就任した山下俊一氏の文書が出回り、他県などでの検査もできなくなっていたと言う。

「怒っていいんです」

不安と怒りが入りまじり、涙を見せる母親たち。
日本では感情を押し殺して表に出さないことが美学とされてきたが、怒るべきは今なのだと語る。

「僕はA2です」

カメラを向けられた小学生たちが口々に自らの検査結果を紹介する。この判定が意味するものは何かという問いに、「白血病になって死ぬ」「癌になって死ぬ」と答える。

こんなことが普通であってたまるかと、ぐっと胸を締め付けられる思いで観ていた。やるせない哀しみと怒りが全身に行き渡り、気付けば嫌な汗をかいていた。

鑑賞後は、監督のイアン氏(Ian Thomas Ash)に質疑応答の時間を設けていただいた。主な質疑内容は以下の通りである。

―福島の汚染区にいるファミリーにはどんなオプションがあるか?
避難する人もあれば、とどまる人もある。30km圏内は居住できず、みな避難しているが、境界線の外30.2kmのところには人も住んでいるし、学校(伊達市)も再開しているという状態。
お年寄りと子どもがいる家族には、とても厳しい選択である。お年寄りはそこにとどまりたいと思うが、子どもがいる場合、とどまることは健康安全上の不安が大きい。家族が離散する状態になったり、離婚率も高くなった。

―日本ではこの作品を見ることができないと聞いたが?
まだ限られているが、9月に日本のフィルム・フェスティバルで上映し、メディア関係者への試写会も行った。

―避難しなければならなくなった家族はいつごろ戻れるのか?
その質問に対する簡単な答えはない。不透明というのが実情。

―福島の母親たちは何を一番求めているのか?
彼女たちが求めているものは、安全や賠償金などではない。一番求めているのは「信頼できる情報」である。信頼できる正確な情報があれば、家族とともに今後どうするかという正しい判断を自分たちで下すことができる。現在の情報は背後で操作されていたりして、信頼できず、その中で身動きが取れなくなっている現状に母親たちは怒っている。一人の母親との出会いからたくさんの母親たちとつながることができ、彼女たちが話し合っている場面を撮影した。声を上げることは勇気のいることだが、彼女たちは、力を合わせてこれからどうしていこうか、という将来を見据えた視点で話し合っていた。カメラの目の前で、女性たちの草の根による活動の輪がまさに生まれた瞬間に立ち会った形になり、感動を覚えた。

―除染作業をしていた人たちはどのようなモチベーションで作業に携わっているのか?
2人の作業員と話すことができた。映画の中に登場した若い作業員は、北海道出身で、勉強を続けたいが経済的に厳しく、その資金を得るため、他よりも報酬の高いこの作業に応募した。確か以前原発で働いていたと言った 作業員は、家族とともに避難したが、汚染地区での作業に毎週通っている。

―今後の活動の予定は?
配給会社を見つけるのが課題。福島の問題を継続して取り組んでいきたい。

―日本で上映した際、日本人の観客、およびメディアではどのような反応・フィードバックがあったか?
フェスティバル会場に足を運んでくるような人たちは、もともとこういう問題に意識の高い人たちなので、関心を持ってもらえたが、多くの日本人は今はインターネットで好きな動画が見れる時代で、わざわざ足を運ぶことがあまりないので把握しづらい。メディア関係者(特に日本在住の外国人ジャーナリスト)を招待しての試写会を行ったが、まだ無名の作品だったので、何か賞を取って認められないと取り上げづらいと言われた。賞を取ることが目的ではないが、賞をいただくことで、この作品に対しての注目が高まり、日本や世界に福島の現状を知らしめることの助けになればいいと思っている。

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質疑も終わりイアン氏に声をかけると、大変気さくな印象で、撮影中に子どもたちが懐く様子が見て取れたのも頷けた。翌日ベルリンで行われたRAINDANCE FILM FESTIVALでの上映の告知は、多くの人々にとって間に合わないと思うので、今後のベルリンでの上映の可能性について話した。イアン氏は、「フィルムフェスティバルの良いところは、色々な映画が混じっているところだと思う。反原発だと限られた人々にしか観てもらえない」という様な事をおっしゃった。

確かにこれが現実だと突きつけられれば、多くの日本人は目や耳をふさぐに違いない。遠く福島での出来事とたかをくくる人もいるかもしれない。でも、たくさんの子どもが、身も心も傷ついて、目に見える血を流している。私はこの現実から目をそらす事は出来ない。福島の子どもたちも、世界中の今を生きる子どもたちと同じ未来を担う子どもたちであると考える。子どもたちはみな平等に、こうした不安を感じ日常を放射能におびやかされる事なく、夢を描いて生きていく権利を持っている。大人たちにそれがどうしてわからない、またはわからないふりができるだろうか。(R)

作品中の17歳の女子高校生の言葉を反芻する。
―みんなが今の現状を忘れている事が大切な問題だと思う―

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※撮影場所と思われる箇所での測定動画

放射線量測定:福島県伊達市立小国小学校2013.1.13測定①: http://youtu.be/xrF7ewCfQrY
放射線量測定:福島県伊達市立小国小学校2013.1.13測定②: http://youtu.be/EcemHMEtbj0
50マイクロシーベルトが出ています。

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イアン・トーマス・アッシュ(Ian Thomas Ash)
公式ウェブサイトhttp://www.documentingian.com/

今後の上映スケジュールhttp://ianthomasash.blogspot.jp/2013/11/on-road-again.html

December 19th PIA Film Festival (Kyoto, Japan)
12月19日 PIA映画祭、京都

December 21st PIA Film Festival (Kobe, Japan)
12月21日 PIA映画祭、神戸

秘密保護法案と今後の問題を考える。

今日本で秘密保護法案が国会を通過しようとしています。これに対して各界から反対の声が上がっていますが、何が問題となっているのでしょうか。この法案は基本的に国の防衛機密を守ることを目標に掲げているのですが、その規定が曖昧なため、表現の自由、報道の自由などが侵されるのではないかという危惧があるのです。少し具体的に説明しますと、国家の安全を守るために各行政機関は政令を出して、機密にかかわる事柄や仕事を期限付きで指定し、それを警察庁が法に基づいて監視するという体制ですね。この法に抵触すると、重い場合は10年の懲役刑が課せられます。

問題は、この行政機関による機密事項の指定です。国家の安全を守るための特定機密という言葉はきわめて曖昧で、直接的な軍事戦略上の機密から、それに関連する事業内容も含まれます。たとえばわかりやすいところでは、沖縄の基地で何がおこなわれているのか。これを機密事項に指定することができます。軍需産業の内容ももちろん指定の対象です。今日の軍需産業のハイテク化を考えると、機密事項の範囲は相当に広がるでしょう。

そこで気になるのは、われわれが今問題にしている原発はどうなるのかということです。よく知られているように、原発の現場労働には非常に多くの、しかも重大な問題があります。これが機密事項の対象として指定されれば、ただでさえも闇に包まれている問題がさらに隠されることになります。現場の労働者が何かを訴えようとしても、処罰を受けることになりますし、その情報を受け取った側もやはり処罰の対象になります。つまり、今でさえも原発報道に尻込みをしているマスコミ、ジャーナリズムはもっと口をつぐんでしまうことになるわけです。

そこで疑問が湧きます。そもそも原発は国の安全を守る特定機密に当たるのだろうかという疑問ですね。そこで問題になるのがテロの防止という項目です。ヨーロッパでは常識化していますが、原発はテロの目標として考えられています。このテロ防止のために原発に関する情報を機密事項として指定する可能性は充分にあります。しかもこの指定は国会の議論を通してではありません。法案によると、各行政機関が各自の権限で指定することができるのです。経産省がこの法律を利用して原発報道を規制することは充分に考えられますね。

さらに問題なのは、機密事項に指定された事業にかかわる人物には厳格な適性評価がおこなわれるのですが、この場合本人だけではなく、その家族や同居人も調査されることになります。原発の場合で言えば、小出裕章さんや平井憲夫さんのように内部から告発をしてきたような人物を初めから排除することができるわけです。「原子力ムラ」がいっそう閉鎖的になるのは明らかです。(BK)

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電力供給の市民表決 Volksentscheid

volksentscheid2この日曜日に、ベルリンでは電力供給を電力会社から市民組織に移行させるか否かの選挙がありました。この選挙が成功すれば、今まで電力会社が牛耳っていた電力に関するすべてのプロセス(発電方法から組織としての管理まで)を市民が参加して決められる上に、100%再生可能なエネルギーをフェアに配分できるということで、私も非常に期待していました。
しかし・・・残念ながら選挙は失敗してしまい、ベルリン独自のエコなエネルギーの夢は消えてしまいました。それでも、今回の選挙から学ぶこと、得られたことはたくさんあると思うので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

まず、こういう政治参加の形態があるということ自体、私はすごいと思いました。
今回のような選挙のことをドイツ語ではVolksentscheidといい、日本語だと住民(国民)表決、レファレンダムなどというようですが、ピッタリ来る日本語訳が思い浮かびません。そもそも、こういう形の政治参加は日本にはない、少なくとも一般市民の日常生活のなかで起こるイベントとしては稀なのではないかと思います。今回の選挙はベルリン市だけで行われたものなので、便宜上ここでは市民表決という言葉を使います。 続きを読む 電力供給の市民表決 Volksentscheid

ベクレルフリーライフのすゝめ。

横浜の市民測定所の創立者のおひとりである高雄先生から、ほとんどの食品の6割が測定不可・非検出を表す中、この半年の測定で汚染が目立ってきている食品についてお話しいただいた。なめこ、レンコン、銀杏、干し芋、大豆、タラ、栗などがそうだ。他に注意が必要なものは、山菜、タケノコ、淡水魚などがある。森の中の野生動物や植物等に未だチェルノブイリの被害の残るドイツを例に見ても、野山や森林では放射線汚染の被害が半永久的に循環され続けることがわかる。

麦・麦製品、米などに至っては、福島の作物に比べ神奈川の作物の被害が顕著に見られる。これは当時、神奈川の気温の方が東北に比べてあたたかく稲穂が開いていた事などが要因に考えられている。ただこれらは全てセシウムのみの測定結果で、人体に同じく深刻な被害をもたらし、カルシウムに置き換えられ骨にたまるストロンチウムは、その測定も、高価な機械の維持も難しく調査が追いついていない。ストロンチウムがセシウムほど飛距離を持たず、近郊に降り注いだであろう事は、多くの専門家の推測にも見られるのでご存じの方も多いかと思う。

チェルノブイリの被害報告にも、ナッツ系などの木の実、芋(干すことで上がる)などは例があるが、水産物においては海を持たないチェルノブイリは例にならない。タラということでは来場の主婦らからおでんなど加工された食品はどうかとの不安の声も上がった。

この他に日本の緑茶の汚染状況が問題に上がったが、ドイツでもチェルノブイリ以後、自国をはじめとするヨーロッパの一部の食品、中には60000Bqという検査結果を出したものもあったというトルコの紅茶、ドイツではおよそ80%がトルコからの輸入に頼っていると言われるヘーゼルナッツの汚染のその後にも不安が残る。セシウムの半減期は30年。30年を経ても半分の数値が残るということだ。ドイツの測定所は現在ミュンヘンに残る一か所で、放射線防護協会のデアゼー氏の話によると、ドイツでは既にこれらの調査は打ち切られているそうだ。同じく氏の話によれば、ドイツに輸入される日本食品は日本で定められた基準値が守られ、諸外国からの食品においてはドイツの基準値で輸入されるとあったが、報道によると現在ではドイツ水際での測定は5%とほとんどされていない。こうした中、高雄先生が話された通り、測定所ができる事は測定結果の発表をしていく事だけだ。数字を見て何を思うか、どう選択していくかはあくまで私たち個人の問題なのである。

先日は長男を連れて2週間ほどの一時帰国、日本は秋の味覚を楽しんでいる真っ最中であった。レストランや電車のつり広告にも、秋の味覚をうたった色とりどりのメニューが並ぶ。私にとっても好きな物ばかり。しかしながら不安とむやみにたたかう事を避け、話にあった食品をはじめ、水産物に至ってはまったく摂取を避けて過ごした。高雄先生のお話を聞き、全ての食品が汚染されているわけではないのだとわかり、気持ちが和らいだ。高雄先生も私たちも人々の不安をかき立て煽る事を目的として、こうした活動をしているわけではない。ゼロとはいくまいと思う。だが少しの知識と努力で回避できる事は多い。住んでいればこんなことはやっていられないはずとあきらめないで欲しい。私もここ、ヨーロッパはドイツに居住をおいても気を付けている食品のキーワード群がある。チェルノブイリの汚染も未だ終わってはいないのだ。

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滞在中、妹夫婦に連れられて港北のセンター北にある自然食品を扱う「ナチュラル&ハーモニック レストラン&カフェ コア」(http://www.naturalharmony.co.jp/coa/20110927coaLP.html)にて、話には聞いていたベクレルフリーなディナーをご馳走になった。多彩な調理方法で自然栽培された野菜それぞれの味が生きたこちらのワンプレートは、視覚にも美しく、大変おいしかった。何より、滞在中に食べたどの名店の食事より、心安らかに味わえた。このレストランに併設されたショップでは、非検出、もしくは基準値以下の検出を全て明らかにした野菜や果物、スイーツも各種販売される。詳細はHPにてご確認いただきたい。(http://www.dreamnews.jp/press/0000047660/

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一部の企業の宣伝をするつもりはないのだが素直に嬉しいと感じたので、数年前から首都圏での人気を博した男前豆腐店(http://otokomae.jp/index_jpn.html)。直営店でなくとも巷のスーパーに商品が並ぶようになり、いずれもおいしく、パッケージも洒落ている。本社を京都に構えるこの豆腐会社の商品ラベルに放射能検査済み“の文字。HPではゲルマニウム半導体検出器検査結果の詳細を紹介している。こうした各社の真摯な企業努力に惜しみなく応援と感謝の意を表したい。

高雄先生のお話では、食事会の開催などベクレルフリーレストランを応援するも、だからと言って店に来客が増えるなどの反響が少ないため、努力してくれる店舗の拡大を妨げているようだ。私の周囲にも日頃から気を遣い、通販の野菜などの購入に踏み切った家庭も少なくないが、やむなく一般のレストランで食事する例が多い。お近くのベクレルフリーレストランで、家族そろって心からおいしい食事を楽しんでいただきたいと思った。私たちがこうした選択をする事は、真のベクレルフリーライフにつながりはしないだろうか。R

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・横浜市民測定所 http://www.ycrms.net/

・日本全国での測定結果の統合を目指すフォーラム http://minnanods.jimdo.com/

セシウム137:ゴイアニアの悪夢

先日、ベルリンで行われた放射能に関わる映画を扱う「ウラニウム映画祭」に行ってきました。いくつか見た中から、特に興味深かった「セシウム137:ゴイアニアの悪夢」について。cesio137

この映画は1987年にブラジルのゴイアニア市で本当に起きた被曝事故をもとに作られています。私は今回、ドイツ語字幕で見たこの映画を通して初めてこの事故のことを知りました。
ゴイアニアの事故とはどんなものだったのでしょう。小出裕章さんが詳しく書いているので、以下に引用します。

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1987年 9月、ブラジル、ゴヤス州の州都ゴイアニア市で セシウム137(Cs-137)による被曝事故が発生しました。廃院となった民間の放射線治療クリニックに放射線治療装置が放置されたままになっていて、それを廃品回収業者が持ち出し、市内にあるその業者の作業場で分解されたことで事故は発生しました。
2人の若者(22才と19才)が、廃院となった病院から放置されていた治療用セシウム137 照射装置 (50.9TBg (1375Ci))を価値があるものと思い、持ち帰りました。その段階から被曝が始まり、2~3日後から2人は下痢、目まいなどに悩まされ始めました。彼らは1週間後にようやく線源容器に穴を開けることに成功し、今度は放射能汚染が始まりました。2人はこれを別の廃品回収業者に売り払いました。セシウム137は青白く光る粉末(セシウムの塩化物)であったため、暗いガレージの中で光っていました。買い取った廃品回収業者はそれを家の中に運び込み、その後数日にわたって家族、親類、隣人が、これを眺め、手を触れ、体に塗ったりしました。また業者の親戚、隣人が好奇心から自宅に持ち帰ったりしました。その家の娘は綺麗に光る粉を舐めて遊びました。作業に当たった人とその家族全員の体の調子が次第におかしくなり、廃品業者の妻が青白く光る粉に原因があるのではないかと気付き、それをゴイアニア公衆衛生局に届けました。医師は症状から放射線障害の疑いを持ち、市の公衆衛生部と州の環境局に連絡しました。放射線測定器で測定して放射線被曝事故が起こっていることがようやくに明らかになりました。当時、ゴイアニア周辺は雨季のため解体された線源中のセシウム137が溶解し、放射能汚染が広い地域に広がりました。
事故後の9月30日から12月22日までの間に約112,800名の住民の汚染検査が行われ、249名の汚染者が発見されました。120名は衣服、履物のみの汚染、残り129名には体内取込みと体外汚染がありました。0.5グレイ以上約 70人、1グレイ以上 21人、4グレイ以上8人でした。結局、この事故で38歳の女性と6歳の女の子、22歳と18歳の男性の合計4名が亡くなりました。死亡者4名の推定被曝線量は4.5~ 6.0グレイでしたが、7.0グレイを被曝しても生き延びた人もいました。もちろん、JCO事故と同じように、被曝によって加えられたエネルギーによって死んだ人たちの体温はわずか1000分の1度ほどしか上昇しませんでした。
回収できた汚染は一部でしかありませんが、ブラジルの原野に広大な置き場を作って隔離されました。

http://chikyuza.net/n/archives/5043 (図は省略)
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これと似たような事故が2000年にタイでもあったそうで、その際はセシウム137ではなく、コバルト60が原因でした。ちなみに、コバルト60が金属に混じる事故はいろいろなところで起きています。

放射性物質というと、原発や原爆や水爆の影響で出てくる非日常的なものという印象がありますが、医療器具だけでなく、いろいろなところに使われていているそうです。それに気づかずに、もしくはずさんな管理の結果、作業員が被曝したり、気づかないうちに放射能汚染が広まってしまうことがあります。

ゴイアニアの場合も、一般市民の日常生活の中で突如起こった放射能事故です。廃院から機材を持ち出した人たちは、金属をお金に変えたかっただけで、まさか放射性物質が中にはいっているなどとは思いもしなかった、それどころか、放射能がなんであるかすら知りませんでした。

映画を見ていて面白かった(というと語弊があるのですが)のは、セシウム137の存在を全く知らない人たちが、どうやってこの物質と自分や身の回りに起きる異変を理解するかということです。

セシウム137がどれだけ恐ろしいものか分かっている観客は、映画の中で人々がセシウムの入った容器を開けたり、中身を取り出したり、それで遊んだりするという「ありえない」行為に遭遇し、言葉を失ってしまいます。それと同時に、すぐに危険だと分からない放射能のおそろしさを痛感するのです。

セシウム137が暗いところで放つ青白い光は美しく、人々はその不思議な美しさに魅了されます。「おもしろいものがあるから見てみろ」「子供が喜ぶから少し持って行け」。そうやって放射能汚染が広まっていってしまうのですが、危ないものだと知らなければ、全く普通の、なんとも人間らしい言動です。そういえば、マリー・キュリーの伝記で、ラジウムの放つ青い光に感動するシーンがあったよな、とそんなことも思い出しました。鉄くずを売って生計を立てている貧しい人々や子供たちが、見たこともない美しい光に目を輝かせるのは、その後起こる悲劇を予想できるだけに、見ていて切ないです。

この映画を通してよくわかる、もう一つの放射能の恐ろしさは、放射線障害が食あたりや他の病気でも起きうる症状として現れることです。何か悪いものを食べたからだろう、そのうち治るだろう。そう思って、誰もすぐに病院に行こうとしません。そして病院にいっても、(本当の)原因は見つかりません。そうしているうちに放射能の汚染はどんどん広がっていきます。
あの光る物質が来てからどうもおかしい。人々が体調を壊しているのはあれのせいではないか?その因果関係を見つけるまでに時間がかかるのです。そこに気づくと、病院だったところから持ってきたものだということが引っかかり、医療知識のある人が、これは放射能なんじゃなかと疑いだします。

どこからどこまでが放射能による被害なのか。放射線障害は放射能の存在が確認されて、汚染の量が測られてみて初めてわかります。健康被害との関係は、結局のところ推測の域をでません。大量に放射能を浴びても生き延びる人は生き延び、少量でも深刻な被害を受ける人がいます。実際に、この事件でもっとも多く放射線を浴びたであろう鉄くず回収業者の男性は、事故の直後ではなく数年後に亡くなっています。
もし今私の近くで似たような事故が起きて、放射能の影響で吐き気を催しても、私はこの吐き気が放射能によるものだとはまず思わないでしょう。映画の中の人々のように、何か悪いものを食べただろうかと考え、タチの悪い風邪だろうか、しばらくすれば治るんじゃないかと思うことでしょう。
この事故で亡くなったのは4人ということになっていますが、直接の関連性が証明できないだけで、事故の影響で病気になって亡くなった人というのはおそらくもっと多いことでしょう。この映画を作った監督も、この事故の被害者の一人だそうです。後遺症に苦しむ人や、精神的なダメージを負う人がいたであろうことを考えると、たった一つの医療器具の不始末によっておこる事故の恐ろしさは計り知れません。

こうした事故が起こることで、身近なところで使われている放射性物質が確実に管理されるようになると思いたいところですが、すでに書いたように、近年でも事故は起きています。やはり、人間がやることに100%安全なことはないのです。
ずさんな管理の結果だけでなく、こうした危険な物質が意図的に盗まれて悪用される可能性も否定できません。原発は空からの攻撃に無防備だということは知られていますが、身近なところにある放射性物質を使ってテロを起こすということも理論的には可能でしょう。そう考えると・・・怖いですね。

何かおかしいと思ったときにどうするか。ゴイアニアの事故で大事な役割を果たしたのは、廃品回収業者の妻でした。夫や男たちは全く無邪気で、飼っていた小鳥が死のうが、犬が病気になろうが、自分や周りの人々が体調を崩そうが、危機感を感じません。
すべては光る粉のせいではないかと気づき、病院に行き、セシウム137を(夫の反対を押し切って)衛生局に持っていった彼女の存在がなければ、この事故はもっと深刻なものになっていたでしょう。もう一人、光る粉に最初から懐疑の目を向けたのも女性でした。放射能だと気づき激怒し絶望する、この映画の中でようやく私が理解できる行動を取ったのは、この、放射能の存在を知る母親でした。直感的に異変に気づく能力や、おかしいことをおかしいと認識する能力、それを裏付ける知識というのが大事なのだと思いました。フクシマ後、放射能が身近になった私たちにとっても、それは言えることではないでしょうか。(KIKI)

参考
・Césio 137. O Pesadelo de Goiânia ブラジル(1989), 95 min, 監督: Roberto Pires
・「終焉に向かう原子力」(第10回)放射線被曝事故の悲惨さと避ける道(小出 裕章)」
http://chikyuza.net/n/archives/5043
・日常生活の中で起きた放射能事故についてはここの書き出しも参考になります
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-927.html

The L and R problem

Sayonara Nukes Berlinはメンバーの他、様々な人たちの参加・助けをいただいて活動している。先日、いつも我々の活動を手伝ってくださるミュージシャンのManami.Nこと長針真奈美さんのライブがあったので行ってみた。

Berlin のFreunde Guter Musik e.V.主催の社会派作品を集めた3日間にわたるライブ・イベント Relevante Musik – Festival of Political Media Art, Performance and Musicだ。こういうイベントが企画されて、普通の学生や社会人がたくさんやってくるのがいかにもベルリンらしい。日本だったら、ちょっとでも政治色が出ると敬遠されてしまうだろう。

Manami.N さんは日本で一般企業に勤めるかたわらバンド活動をしていたが、ある日突然ドイツ人の音楽関係者から、「君たちの音楽はおもしろいからドイツに来てライブをしないか?」とコンタクトがあり、お金を貯めて、2003年にライプチヒ、ケムニッツ、ハンブルクでライブを実現させた。それからベルリンが気に入って、2006年に日本からベルリンに本格移住。エレクトロニック・ミュージック、ゲーム音楽などの制作に携わっている。

そんなManami.Nさんが原発のこと、エネルギーのことを考えるようになったのは、やはり3.11がきっかけだという。知れば知るほど疑問が湧く原発問題。未来の世代に対して無責任なこの原発政策を推し進めてきた日本。福島第一原発事故という大惨事を起こしたにもかかわらず、命を一番に優先するという誠実な対応に欠ける国と東電。権力・官僚・経済の癒着で脱原発に潔く移行する決断ができない国。なぜそうなのか。

Manami.Nさんはその源泉をたどってみるべく日本の歴史的事実を拾い上げて調べてみた。そこでひとつの共通点を見つけた。それは、福島の問題と戦争責任の取り方は、その精神構造が似ているということだ。犯した重大な罪に対する贖罪の意識なく、犠牲者の痛みに寄り添わず、なし崩し的に何もなかったかのように背を向ける。

今回のライブで初披露した作品 『The L  and R problem』は、流れる映像とともに、日本が包み隠したい出来事を淡々と、しかしそのことを見つめていくという覚悟のようなものが感じられる声で歌う、なかなかお腹にずっしりくるものだった。

心で感じていてもなかなか発言できないことを、外国に住む日本人の視点で、作品を通して発信していくことが、表現者としての役割であるとManami.Nさんは最近強く感じている。これからまたどんな表現が彼女から生まれるか楽しみだ。

 

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ライブの様子、今後の活動予定などはManami.Nホームページをご覧ください。

http://manami-n.com/

No nukes, clean energy