講演レポート「フクシマ原発事故の健康被害について」

2016.6.14 (火) の 19:00 より,Sayonara Nukes Berlin の主催で「フクシマ原発事故の甲状腺ガン患者の苦悩」という講演が行なわれました.話者は西里扶甬子氏です.副題として,「フクシマ原発事故の甲状腺ガン患者の苦悩」とありました.

西里氏はドイツ国営テレビ放送 ZDF のプロデューサーとして活躍されておられるジャーナリストです.「福島の嘘 (Die Fukushima-Luege)」などのドキュメンタリーの制作に関わりました.今回はジャーナリストの視点から,福島の現状,問題点などの講演をして下さいました.
講演では特に章などはなく,連続的に続きましたが,このレポートでは,話の流れを以下のように分けてレポートします.

  1. 西里氏が取材をした人達の話の紹介
  2. 科学者 (技術者・研究者) とメディアのコラボレーションについての提案
  3. 除染事業の構造的問題
  4. 補償問題について
  5. ドイツ人の疑問
  6. 福島報道における諸刃の刃
  7. 福島第一原発事故から5年,現状は
  8. その他の問題

1. 西里氏が取材をした人達の話の紹介

a. 菅直人と小泉純一郎: 原発推進から反核へ

小泉氏はかつては原発推進をした立場だったが,「原子力はクリーンで安くで安全とずっと信じてきたが,それはみんな嘘だった.」と反対になった.このように,小泉氏は以前推進してきたことも積極的に発言しており,今は反省に立って立場を変えたとしている.

菅氏は事故時の対処に関して批判もあるが,しかし,浜岡原発を停止したことや自然エネルギーのための立法などに奔走したことなどがあり,西里氏はそれなりの評価をしているということであった.

b. 井戸川克隆: (元双葉町長)の以下の発言を紹介

  • 政治(行政・官僚)は「国民のためという基準では動かない.」
  • 行政と企業は「経済優先」というところで癒着している
  • 政府と大企業は平気で嘘をつく
  • ジャーナリストは怒りを持て

井戸川氏は,地域の行政側から被災者(被曝者)になった.地方の行政からすると,問題は山積している.たとえば,漁業復興ということを考える.漁業をする方々が漁業ができないという苦しみをどうするのか.しかし,安全を確認する前にすぐ再開することによる問題はどうなのか.

c. 大学の研究者

  • 山敷庸亮京大教授: 汚染を運ぶ阿武隈側,海洋汚染などについて発表.
  • 小出裕章: 反核の科学者

国立機関にいるものとして発言が難しいこともあることを紹介.

d. 汚染地域に住む被災者の人達

  • 吉澤正巳: 黒毛和牛生産者
  • 松村直登: 富岡町,避難時に受け入れ先で拒否された経緯などの紹介

e. 市民運動

  • 根本淑栄: 県民健康調査の前線で起きていることの紹介.

土に生きる人達はどうしても作っている.福島産の野菜などを食べて助けようという人達と,ちゃんと測ってからにしようという人達,同じ福島県民の中での軋轢,分断がある.

2. 科学者 (技術者・研究者) とメディアのコラボレーションについての提案

コラボする分野は何か

  • 廃炉作業の進捗状況 (核燃料の状況)
  • 3 炉メルトダウンという大事故が起きた原因と経緯を明らかにする
  • 住民の避難,ヨウ素剤配布や,同心円状の避難区域の設定,Speedi のデータ
  • 隠蔽を含めた事故対応の反省と検証,責任の追求
  • 風向きを考慮した避難訓練も実施されていたが,事故の時には Speedi データが出てこなかった.このようなことについての反省や検証はどうなっているのか
  • 福島県民健康調査の嘘を科学的に,判りやすくみる必要がある
  • 甲状腺癌発症の実態についての詳しい調査と報道の必要性

3. 除染事業の構造的問題

除染事業はゼネコンや,地域の建設業者などが請け負う.多くは除染の知識がない人達である.ゼネコンも地域の建築業者も原子力に関しては建設も請け負い,除染も受けおう.このために,事故の前は建築の仕事があり,事故が起きても除染の仕事になるため,事業者としては事故に関する関心は薄くなる.

4. 補償問題について

「人道と社会正義」に軸足をおいて監視するべきであろう.その際,中立はメディアにとって一番大切なことではない.客観的であることは必要であるが,腐敗や不正を暴く役割はメディアの役割であろう.なぜなら,被災者や一般人は弱い立場である.それを中立の立場のために,弱者側と権力側とを同じに扱うことはメディアに求められることなのであろうか? そうではないと西里氏は提案する.

5. ドイツ人の疑問 (2013年11月)

a. 日本人はなぜ怒らないのか.ドイツなら暴動が起きているはず.

ドイツにはチェルノブイリ事故の国民的トラウマ(ポジティブな意味で)がある.日本人は戦わない国民性,権力に支配されることに慣れている,あるいは支配されていることにも気がつかない,気がつく必要を感じない国民性があるのかもしれない.

b. これだけの事故でなぜ誰も逮捕されないのか? 責任は誰が取るのか?

班目春樹氏の発言などを挙げ,犯罪的嘘ではないかと疑問を呈している.また,説明を市民にする際に,ごまかそうとしているような発言は説明責任を果たしていないのではないかと疑問を呈している.たとえば,水素爆発時の「なんらかの爆発的事象が起きた」という発言など.

c. なぜ東電が今でも存続しているのか?

d. 日本のメディアはどうなっているのか?

6. 福島報道における諸刃の刃

a. 甲状腺癌患者 (2015 年12月31日集計で甲状腺癌及び,その疑いのある患者は 166 人) が内部告発的状況にあること

政府が因果関係を認めていない現状では,報道で自分の状況を告白しようとしても難しい.他の被曝者で潜在的な人々(まだ癌とはされていない人々)から,そういうことを言うと,今後差別されるかもしれないのでやめて欲しいという圧力があることもあると取材で判明.

被害者,またはまだ発症していないがおそれのある潜在的被害者は 0 から 18 歳という若者たちであるため,本人のみならず,親兄弟姉妹の苦悩が深い.西里氏は,過去ヒロシマ,ナガサキで行なわれた差別のような状況との類似を指摘した.たとえ,実際に甲状腺癌を発症し,手術しても,おそらく遺伝的なものであろう.などと診断されることがある.

b.汚染地域の明暗と除染事業

浜通り,20 キロ圏,30キロ圏,とその外側との補償や避難に対する援助に格差 がある.汚染や被曝の実態は同心円状ではない.ホットスポットなどがあるが その対応が困難である.

以下のような基準値の引き上げによる実態の深刻さを隠蔽

  1. 公衆被曝上限 1mSv/y から 20mSv/y
  2. 放射性廃棄物基準 100Bq/kg -> 8000Bq/kg (仙台湾の海底の泥 4000Bq/kg)
  3. 体表面汚染のスクリーニング基準の変更 13,000CPM -> 100,000 CPM (CPM = Count Per Minites)
  4. 原発労働者の緊急作業時被曝限度 100 mSv -> 250 mSv
  5. 30 キロ圏の外では避難していない人々が多く,報道の対象にもなっていない.
  • 避難できない以上は除染はして欲しいとの住民の要望がある.
  • 汚染物の行き場はまだない.生活圏(仮仮置き場) に積んである.
  • 山や森の除染は無理
  • フレコンバックは 3 から 5 年の寿命で,そろそろ寿命.

7. 福島第一原発事故から5年,現状は

2016年2月15日第22回「県民健康調査」検討委員会で発表された中間とりまとめの次のような要旨

「福島県の放射線量は低い,甲状腺集団のほとんどが受けた線量は 1 mSv 未満だった.甲状腺検査の最少年線量ではこれまでガンは発生していない.スクリーニング効果および,治療した場合は過剰診療になりうる.リスクコミュニケーションが不可欠である.」

と,最大の問題は Radiophobia (放射能恐怖症) という重松逸造氏などの言葉をひいて,一般人の立場からみると,論点のすり替えと非科学的詭弁に見える.事故は起き,危険はある.どういうものかを明らかにし,対処すべきではないのか.「放射線の影響は,実はニコニコ笑ってる人には来ません.クヨクヨしてる人に来ます.」で終わっていいのか,リスクコミュニケーションで対処する前にすることはないのか,という疑問を提示した.

第23回県民健康調査検討委員会(2016 年6月6日発表) で甲状腺癌の患者数が 166から 172 人になったこと,甲状腺癌家族会が 2016年3月12日に発足したことを述べた.これは,患者家族間の交流のための会で 311kazoku.jimdo.comにサイトがある.

8. その他の問題

  • 廃炉事業,汚染水,凍土壁,労働者と被曝の問題
  • 帰還問題
  • 除染と廃棄物の保管問題
  • 健康障害,メンタルヘルスという結論に抗して被曝手帳などを発行
  • 補償の問題
  • エネルギー問題と再稼動の問題
  • 地震王国日本
  • 特定秘密保護法,メディアの弱体化

最後に,核について長年とりくんでこられたことからか,最近の米大統領広島訪問についてのコメントがあった.

2時間に及ぶかなり長い講演であったが,講演中には会場からもコメントなどがあり議論もあった充実した講演会であった.

プロフィール

西里扶甬子 / Fuyuko Nishisato: 海外メディアの日本取材時におけるコーディネーター/フィクサー、インタビューアー、ディレクターとして活動。2001年からはZDF東京支局を中心に活動。現在はフリーランサーとして、これまでの経験を基に独自の取材を続けている。著書に「生物戦部隊731」 (2002年草の根出版会)。「七三一部隊の生物兵器とアメリカ」(2003年ピーター・ウイリアムズ、デヴィッド・ウォーレス著かもがわ出版) の翻訳。

橋本美香さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、ベルリンで3月11日から長期にわたって開催中の「核エネルギーと民主主義」をテーマにしたProtestival2016。このテーマに沿って様々な職業人の立場からいただいたインタビューを連載しています。第七回目はシンガーソングライターで、制服向上委員会の名誉会長でもある橋本美香さんにお話を伺いました。

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ルポライター山秋真さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、ベルリンで3月11日から長期にわたって開催中の「核エネルギーと民主主義」をテーマにしたProtestival2016。このテーマに沿って様々な職業人の立場からいただいたインタビューを連載しています。第六回目は、脱原発の希望がたくさん詰まった「原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ」の著者である山秋真さんにお話を伺いました。

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『首相官邸の前で “Tell the Prime Minister”』

3月18 (金) AUSLAND にて、小熊英二監督のドキュメンタリー映画『首相官邸の前で “Tell the Prime Minister”』の上映会を行いました。

はじめに、この日の60名を越える来場者の皆さんに、心からの感謝を申し上げます。

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映画の内容についてはネタバレの恐れがあるので言及は避けたいと思いますが、まずこの映画を鑑賞した後、監督である小熊英二さんによるアフタートークの時間が設けられました。これがまた、皆さんとても活発に質問されていて、挙手が絶えない時間となりました。 続きを読む 『首相官邸の前で “Tell the Prime Minister”』

公開討論: 破局後五年目のフクシマと今後

3月11日ベルリンはノイケルンのWerkstatt der Kulturenでさまざまな分野の芸術家たちによる「Fukushima the Aftermath(フクシマ、その余波)」という記念の催し物があり、この日は午後三時ごろから夜遅くまで多くの人が会場を入れ代わり立ち代わり訪れました。この公開討論はその催し物の一環として行われたものですが、企画およびそのオーガナイズにはわれわれSayonara Nukes Berlin(以後SNB)のメンバー梶川ゆうさんが精力的にアンガジェしてくれました。 続きを読む 公開討論: 破局後五年目のフクシマと今後

3月11日に思う。

今日は3月11日。

東日本大震災の被害にあわれた方々のことを思います。

私は震災直後、かつて働いていたNGOに3か月間の助っ人として緊急援助チームに加わるため日本に帰りました。ベルリンから日本に向かう飛行機の中で「私のふるさとの国はどうなってしまうのか」と日本の新聞を涙を流しながら読んだこと、現地に向かい津波がすべてをさらった場所に初めて立った時の衝撃は今でも忘れられません。

緑の山を抜けるといきなり広がった光景(南三陸・筆者撮影)
緑の山を抜けるといきなり広がった光景(南三陸・筆者撮影)

福島第一原発事故が発生し、米国に本部のあるそのNGOは、活動は原発から80㎞以上離れていなければならない、という指示が出ました。当時原発や放射能についての知識がそれほどなかった私は、歯がゆい思いをしたものです。

あれから5年。2013年に友人と一緒にSayonara Nukes Berlinを結成してベルリンで反原発のデモを初めて行い、仲間が増えて様々な活動を通して勉強するにつれ、原発がいかに倫理に反しているか、原発に頼らない未来をめざさなければならないことを深く思うようになりました。 続きを読む 3月11日に思う。

日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんに聞く「核エネルギーと民主主義」

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第五回目はドイツ出身で日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんにお話を伺いました。 続きを読む 日本在住の漫画家ダビ・ナタナエルさんに聞く「核エネルギーと民主主義」

かざぐるまワークショップ

ワークショップで作ったかざぐるま
ワークショップで作ったかざぐるま

 

3月5日(土)、ベルリンのカフェで「かざぐるまデモ」(3月19日、土)に使うかざぐるま作りのワークショップを開催しました。約440個のかざぐるまができました。

Sayonara Nukes Berlinに関わっているみんなの友達やFacebookで知ったという方、Protestival(http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=2748)の賛同団体のウェブサイトで情報を得たという方、2月中旬に行われたベルリナーレの会場で配布したフライヤーを見て来てくれた家族など約55人が参加しました。今回で3回目となるワークショップですが、今までで参加者が一番多かったように感じました。FacebookのSayonara Nukes Berlinのページに友達が「いいね」をしていてワークショップのことを知り、観光も兼ねてボンから来たという日本人の留学生など、今回のワークショップではじめて顔を見たという方も多かったように感じました。

今回も前年に引き継ぎ、日本人パティシエさんのケーキや軽食の販売があり、参加者は一息つきながら楽しんでいました。

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この日はなんとドリンクが無料でした!!手前のお菓子は原発をもじったお菓子。食べてなくそうということで、参加者が持って来てくれました。DSCN0835

かざぐるまを固定する針金をチョキチョキ。

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ハサミで紙を切る人、遊び部分を作る人、穴を開ける人、かざぐるまの形にして木にくくりつける人、分業して作ります。

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はじめて作る人に作り方を教え中。

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親子でかざぐるま作り。

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かざぐるま作りをちょっと休憩。子どもたちのための紙芝居も。

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ひとつ、趣向の変わったかざぐるまもできました。

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子どもコーナーでは絵本を読んだり、折紙をしたり。

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最後に車に乗せて。

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ケーキと軽食の売り上げから66,50ユーロのカンパもいただきました。ありがとうございます。

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在外選挙制度(http://sayonara-nukes-berlin.org/?p=2768)の相談コーナーにも相談者が訪れていました。担当の方お疲れさまでした。

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おしどりマコ&ケンさん座談会

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

おしどりマコ&ケンさんの座談会を2月28日(日)、ベルリンのカフェ で行いました。2011年3月の福島第一原発事故後、東電の記者会見に通い、被災地や識者に積極的に取材活動を続けている芸人ジャーナリストことおしどりマコ&ケンさん。本業の夫婦漫才師ならではのボケと突っ込みで度々会場は参加者の笑い声でわきました。

おふたりは東電の記者会見に通い続けているため、今では他の記者や東電の広報担当よりも詳しい記者とのこと。今の広報担当は自ら「情報オンチ」と言っているという話には東電の無責任さにあきれてしまうばかりです。

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

マコさんは取材をしてきて気になっていることを大きく分けて3つの点にしぼって話してくれました。

①放射性廃棄物の再生利用

②小児甲状腺がん

③「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

①放射性廃棄物の再生利用についてはおしどりポータルサイトに詳しいので、そちらを見てください。

http://oshidori-makoken.com/?p=1863

環境省ホームページ

http://www.env.go.jp/press/101515.html

恥ずかしながら、このことについてわたしは今回はじめて知りました。マコさんもおっしゃっていましたが、一体何のために「除染」をしているのか、何をしたいのか理解に苦しみます。

②小児甲状腺がん

マコさんは2015年5月18日開催の第19回福島県「県民健康調査」検討委員会で出された「甲状腺検査に関する中間取りまとめ」に「こうした検査結果に関しては、我が国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い。」という文章が入っており、この内容は中間取りまとめ案にはなかったため驚いたと話していました。マコさんは以前から中間取りまとめにかかわった医者たちにも取材しており、チェルノブイリ事故後、ボランティアで甲状腺がんの内視鏡手術を行ってきた清水一雄医師(甲状腺評価部会、部会長)は「原発事故による被ばくの影響は無い、と個人的には思ってはいるが、そのような先入観を持っての調査は科学的ではない。」と言いはじめてきたと紹介し、中間取りまとめが出てから委員の医師たちの雰囲気が変わってきた様子を話してくれました。

中間取りまとめについての詳細はおしどりポータルサイトを見てください。

http://oshidori-makoken.com/?p=1094

「甲状腺検査に関する中間取りまとめ」

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/115335.pdf

③「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

原告の人たちを取材してきたマコさんとケンさん。「生業を返せ、地域を返せ!」の意味は原発事故前の原発のある生活に戻せということではなく、原発ができる前の生業をなくす心配のない生活を取り戻すということであって、彼らは「原発をなくすための裁判」をしているのだと話してくれました。原告は現在約4000人。福島県の全市町村と近隣の被災した県などにいます。画期的な出来事は原告団の要望により、裁判長と裁判官が浜通りと中通りの現場検証に行くことが決定したこと。同じ被災者から「そんなにお金がほしいのか」との嫌がらせも受けていますが、本人尋問の中身を聞くと原発事故の影響によって自ら命を絶った人の家族や自分の言葉で被害を訴えられない知的障害を持った教え子たちに代わって発言する特別支援学校の先生といった人たちが原告になっており、彼らはお金のためではなく、他の誰かのために原告になっているのだとのマコさんの言葉が印象的でした。

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟

http://www.nariwaisoshou.jp/

Ysukasa Yajima
Ysukasa Yajima

マコさんとケンさんが理事も務めている福島の子どもの保養施設「沖縄・球美(くみ)の里」についての紹介もありました。

球美の里のホームページ→http://www.kuminosato.com/

おふたりが球美の里で福島の子どもたちと交流していると、性のことと同列に被ばくのことが話題になる。それは彼らにとっては被ばくのことは大人には聞いてはいけないタブーとなっているということで憤りを感じるとおっしゃっていました。

世論調査では脱・反原発が半数を超えるのに、選挙になると原発を推進している自民党・公明党が勝ってしまうのはなぜなのか。ドイツに長年住んでいると歯がゆい思いがするとの参加者の質問に対して、選挙のときに100人アンケートをとったマコさんは大多数の人が選挙に行かない。選挙に行く人は「謝りながら自民党に入れるお年寄り」ということと「365日、創価学会員(=公明党)から手厚いケアを受けている人」と自らの分析結果を紹介してくれました。SEALDSの若者たちとも早い時期から関わりのあるマコさんが最後に締めくくった言葉は「自分の思ったことが自由に発言できる状況になってほしい。日本に住んでいても歯がゆいです」でした。

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

今回の座談会は約5年間原発事故関連の取材を続けているまさに専門記者からの報告で、非常にためになるお話でした。被災者に寄り添い、疑問は追及し続け、事実から裏付ける取材スタイルはトップが安倍首相とお食事をしている大手商業紙、テレビ局といった日本のマスコミの堕落ぶりも浮き彫りにされるようでした。おふたりにはこれからも芸人ジャーナリストとして発信し続けてほしいと思いました。

Tsukasa Yajima
Tsukasa Yajima

マック赤坂さんに聞く「核エネルギーと民主主義」

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12月23日渋谷駅ハチ公口にて

12月23日都内のカフェにて

福島の原発事故から5年、チェルノブイリの事故から30年の節目の今年、この2つの事故日である3月11日から4月26日までの7週間の間、ベルリンで「核エネルギーと民主主義」をテーマにProtestival2016を開催します。そこで様々な職業人の立場からいただいたテーマに沿ったインタビューを連載中。第四回目はスマイル党のマック赤坂さんにお話を伺いました。

「核エネルギーと民主主義は全然関係ない、結び付かないもの」

-原発に反対するようになったのはいつからですか

マック 私の場合は反原発で立候補しているわけではない、恒久平和なんです。スマイル党だから。その平和を阻害する一つの要因だよね、原発は。代替エネルギーもいっぱいあるわけだから、それを開発するのが第一義であって、原発を続けるというのは平和に反する。だから反対してきたわけです。

-実際に国会に入ったとして原発に対して何ができますか

マック 反核だからね、私は。原子力を発電に使うと、ある意味では平和利用なんだけど、原子力っていうのは武器になる。その原子力に私は反対するわけです。それが平和に使われようが武器に使われようが、人体にも影響することからも、原発はできるだけすみやかになくして、代替エネルギーを開発する。

―日本を何とかしたいと考えた時、ストレートに政治に関わって行く事、立候補に向かったマックさん

マック 私はスマイルセラピーだからね、基本は。スマイルを広めたいということです。日本の人は未だに全然スマイルができない。それとやっぱりマインドがネガティブだよね。鬱病だらけじゃない、日本人。アメリカでさえ鬱病患者がどんどん増えてるわけですよ。だから私が出る意味あるんじゃないかということですよ。で後はやっぱり平和だよね。いま、自公政権はとんでもないことやろうとしてる。徴兵制にもつながる。それこそ核兵器の核武装につながって行きますよ、そのうち。

-選挙の他には個人としてこれから何をしていきたいですか?

マック 私は3つ持ってる。ひとつは貿易業でレアメタル、それからスマイルセラピー、もうひとつはスマイル党ですね。この3つ!

-マックさんの会社の方はみなさん笑っていますか?

マック いや、必ずしも笑ってないよね(笑)

―世の中の人が笑っていないということですが、何かメッセージがありますか

マック 下を向いて歩く人が多いよね日本人。もちろんスマイルもできない。下を向くと同時にまわりを見るよね。なんで自分の思想と哲学で行動しないのかなと。着るものもそうじゃない。まわりを見て自分の服を決めるよね。私なんか自分が着たいから着るんだ。そこが日本人の永遠にダメな点だろうな。自分を持ってない。世間で自分の思想を決める、世間体を気にする、まわりを気にする、いわゆる自立してない。大人としてまだ成熟してない。それは常に感じる。で、それを変えようとしてる。それが政治家の仕事かっていうとそれはまた別だろうけど。

マックさんはそう言ったけれど、政治の悪さが経済や社会を悪くして、結果として人々から笑顔を奪ってるという現実もある。例えばベルリンはドイツの中でも貧しい街だ。連れ子を抱えて学生結婚をした我が家をはじめ、今までにも経済的に豊かとは言えない人々をたくさん見てきた。でもほとんどの場合、人々から暗さは感じられない。福祉は充実しているし、みんな自分を持っている。お金がなくても笑っていられる社会がそこにある。ベルリン前市長は言った。「ベルリンは貧乏だけどセクシーだ」ベルリンに来てから、日本ではみんながどれだけたくさん働いて、様々な重圧に耐えているのかを感じるようになった。人々が笑えるようになる社会ってのはやっぱり政治でだって変えられると思う。マックさんには今後とも恒久平和とみんながスマイルできる社会づくりをぜひとも目指してほしい。

渋谷の駅前で踊るマックさんの元へ、笑顔の若者たちが何度となく一緒に写真を撮らせてくださいと歩み寄った。 「10度 20度 30度!スマイル!」

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マック赤坂:(マックあかさか、1948年9月18日 ‐) 日本の政治活動家、実業家、セラピスト。財団法人スマイルセラピー協会会長、スマイル党総裁。2007年の第21回参議院議員通常選挙への出馬を皮切りに、じわじわと得票数を伸ばしている。東京、大阪、新潟都知事選、また大阪市長選にも出馬経験あり。著書に「笑えばハッピー スマイルセラピー 口角10度アップであなたの人生こんなに変わる」、「何度踏みつけられても 「最後に笑う人」になる 88の絶対法則」がある。
スマイル党 公式HP http://smileparty.info/

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Protestival 2016

No nukes, clean energy